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大谷翔平 ロバーツ監督の「開幕戦登板なし」宣言に見えたドジャースV2へ“投手王国”の野望
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.08 17:35 最終更新日:2024.12.08 17:36
「打者での出場を期待している。1年間どれだけ投げられるか管理しないといけない。仮に3月に投げたら、10月までもたない」
木下グループの新CM制作発表会に出席したドジャースのデーブ・ロバーツ監督は12月4日、来年3月18日・19日に東京ドームで行われるカブスとの開幕2連戦で大谷翔平が投げないことを明言した。
2試合で販売される合計約9万枚のチケットには応募が殺到し、早くもチケット売買サイトでは公式価格7000円の指定席Cが85倍の60万円で出品されたという。それだけの人気カードゆえ、大谷の“凱旋登板”がなくなったことに落胆したファンは多い。
しかし、ロバーツ監督の決断を「英断」とする識者は多い。メジャーリーグ評論家の福島良一氏もその一人だ。
「トミー・ジョン手術を行なって、多くの投手が1年から1年半で復帰していますが、復帰した年に手術前以上の成績を残せたのはごくわずか。ほとんどが成績を落としています」
大谷の1回目の手術は2018年10月1日で、復帰登板はコロナ禍で開幕が7月後半にずれ込んだ2020年7月26日のことだった。本来なら春先の復帰が見込まれていたが、未曽有のパンデミックに結果的には助けられた格好になり、復帰までに要した時間は693日と2年近くにもなった。
にもかかわらず、復帰戦は1回途中1死も取れずに5失点KO。結局この年の先発登板はあと1試合のみで、防御率は37.80と散々な結果に終わっている。ダルビッシュ有や前田健太も復帰年の成績は芳しくなかった。
近年、手術の技術は格段に進歩しているとはいえ、やはり体にメスを入れるということはダメージとなることに変わりがなく、リハビリを含めた休養期間は長ければ長いほどいいということは過去の結果が示している。
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さらに福島氏は、「ド軍の今後の方針も見えてきた」と続ける。
「おそらくロバーツ監督は、大谷の投手としての復帰は6月ごろを考えていると思います。そうなると春先の先発投手について考えなければいけない。というのも、2024年開幕当初、先発には13人ほどの候補がいたんです。ところがシーズンが進むにつれ、一人消え、また一人と、ポストシーズンに入るころには4人しかいなくなりました。
だからこそ、先発で計算できる投手は何人いてもいい。そのため、来季に向けてド軍はサイ・ヤング賞を2度獲得したブレイク・スネルと5年総額1億8200万ドル(約273億円)で契約を結びましたが、まだ補強の手を止めてはいません。
獲得の最有力候補となるのが、シカゴ・ホワイトソックスのギャレット・クロシェ投手です。左の剛腕で、フォーシームは160kmを超えます。先発は今季からなので、リリーフもできることが強みです」
クロシェは今季、6勝12敗と負け越したが、それはチームの大不振のせいもあるだろう。防御率は3.58と安定し、何よりも146.0回投げて奪三振が209と、ここぞという場面で三振が奪えることが最大の魅力となっている。
大谷が春先に投げられないマイナスを、補強によってプラスに変える。ひょっとして、来季のド軍は“投手王国”に生まれ変わっているかもしれない。
( SmartFLASH )