世界最高峰の総合格闘技イベント「UFC」での “デビュー戦” が、いきなりタイトルマッチとなった朝倉海選手が、12月7日(日本時間8日)、ラスベガスでおこなわれた「UFC310」で、王者アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)とのフライ級タイトルマッチに挑んだ。
「『RIZIN』で闘っていたバンタム級から、フライ級に1つ階級を下げての挑戦となった海選手は、この試合に勝てば、日本人初、アジア人男子初のUFCの王者誕生ということで、日本の格闘技ファンから大きな期待が寄せられていました。
朝倉陣営は『(海は)過去最高の仕上がり』と語るほど調整も順調にいったようで、現地でおこなわれた前日の公式会見で、海選手は英語で『みんなに約束するよ、彼をKOで倒す』と高らかに宣言、自信をのぞかせていました。
U-NEXTでは朝倉海応援チャンネルが組まれ、当日の試合もライブ配信。海のこれまでの軌跡や、渡米後のトレーニング、記者会見から計量の様子までを紹介し、海選手の試合へとつなげました。
一発を誇る打撃で活路を見出したい海選手でしたが、いざ試合が始まると、1ラウンドから打撃でもパントージャに押され、結果は2ラウンド失神1本負け。残酷な結果となってしまいました」(スポーツ紙記者)
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まさかの惨敗に多くのファンが肩を落とすなか、海選手の敗戦1分後に、
《朝倉海はUFCのチャンピオンにふさわしくない。日本人初チャンピオンは俺がなります》
と、自身のXに書き込んだのは、UFCで海と同じフライ級で闘う日本人ファイターの鶴屋怜選手。プロ戦績10戦10勝、今年6月にUFCデビュー戦を勝利で飾った弱冠22歳の若き実力者だが、海選手の敗戦直後の無遠慮なポストに、
《このタイミングで敗者に言うかける言葉ではない。チャンピオンの器じゃない》
《同じ日本人ファイターとしての、試合直後のメッセージがそれか?信じられないわ。疑うぞお前の人間性》
《そんな発言するあなたは推せないよ。まずは戦った選手へ激励しろよ。同じ日本人だろ》
など、コメント欄には多くの批判が殺到、大炎上してしまった。
「鶴屋選手はその後、自身のYouTubeチャンネルを更新。『鶴屋怜に今の気持ち聞いてみた』のタイトルで、海選手の試合の感想を語りました。
自身も中学生のころから、UFC王者を目標に格闘技の道を歩んできたという自負を持つ鶴屋選手は、スタッフに試合の率直な感想を聞かれ、『率直によかったなって感じっすね。パントージャ勝ってくれて』と発言。『たとえ朝倉海じゃなかったとしても負けろって思いますよ。それが格闘家でしょ』と、改めて日本人初のUFC王者への強いこだわりを明かしました。
さらに、朝倉海の敗因を『オクタゴン(UFCで用いられる金網で囲まれた八角形のリング)での経験の差』と分析。試合を振り返って、『(海選手はパントージャに)簡単に3回ぐらいテイクダウンされてたからね。あれじゃ俺にもテイクダウンされちゃうと思うし。
(海選手は)打撃はすごくいい選手なんですけど、体重的にも問題あったんじゃないですか。やっぱバンタム級の選手はバンタム級が合ってると思うし』と冷静に言い放ちました」(前同)
鶴屋に一刀両断された形の朝倉海は、敗戦から1夜空けた9日、
《たくさんの応援ありがとうございました 結果で返せなくて申し訳ないです》
の書き出しで、Xを更新。
《素晴らしいチャンピオンだった そして自分がまだ弱かった 今回は届かなかったけど必ず這い上がってチャンピオンになる 今までもそうしてきたしできるまでやり続ける 強くなって戻ります》
と再起を誓った。UFCのフライ級には、今回デビューした朝倉海、鶴屋にくわえ、日本人最多の6連勝を記録した平良達郎もいる。ここから日本人初の王者が生まれるのか、朝倉海のリベンジも含めて、さらに注目が集まる。
( SmartFLASH )