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「甲斐キャノン」巨人移籍の裏に隠せぬ「肩の衰え」古巣・ソフトバンクも次世代育成めざし「出たければどうぞ」の腹の内
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.18 19:40 最終更新日:2024.12.18 19:41
大山悠輔(阪神残留)、石川柊太(ソフトバンク→ロッテ)と、FA戦線で“2連敗”を喫し、今オフも補強で苦戦していた巨人。しかし終盤に入り、大きく巻き返している。
勢いづけたのは、中日を自由契約となったライデル・マルティネス投手を獲得できたことだった。ご存じのとおり、マルティネスは抜群の安定感を誇る“守護神”で、在籍7年で積み上げたセーブ数は166。今季は自己最多の43セーブを挙げ、防御率は1.09。非の打ちどころのない成績だった。これで巨人はマルティネスと大勢で“160km/hコンビ”が誕生し、ブルペン陣は一気に12球団一の陣容となった。
さらに12月17日には、侍ジャパンの常連で、「甲斐キャノン」の愛称で知られる、ソフトバンクからFAとなっていた甲斐拓也捕手を獲得したのだ。
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それにしても巨人は、なぜ甲斐を獲りにいったのか……。というのも、巨人には大城卓三(たくみ)をはじめ、今季復活を果たした小林誠司、そして進捗著しい岸田行倫と、それぞれ持ち味が違う、実力に大差のない捕手が3人もいるからだ。ここに甲斐が加われば、ひとりは2軍落ちとなる。
また、ソフトバンクにしても、甲斐の流出はさぞかし頭の痛い問題だろう。12月17日、取材に応じたソフトバンクの三笠杉彦GMも「ダメージはありますし、ないといえば嘘になります」と、ショックを隠せない様子だったが……。
「たしかに三笠GMは、そのようなコメントを出していますが、甲斐の移籍には、それほどショックを受けていないといいます。2番手の海野隆司捕手も育ってきていて、ソフトバンクの甲斐に対しての方針は『出ていきたければどうぞ』というスタンスでしたから。なぜなら、甲斐の代名詞である肩が、かなり衰えてきているからです」(ソフトバンク担当記者)
肩の衰えは、はっきりと数字に表れていた。甲斐は2017年にレギュラーをつかむと、毎年のように盗塁阻止率が3割を超していた。3割を超えればレギュラーとして十分といわれているなか、甲斐は2018年には.447、2021年には.452と、ともにリーグトップの成績を残していた。
しかし、今季は2017年以降で初めて3割を切り、.284と、リーグ5位の成績に終わっている。
「そうした現状に加え、年俸も推定2億1000万円と決して安くありません。チームとして、次の世代を育てることに方針を変更しても、何の不思議もありません」(同前)
推定年俸2億1000万円が正しければ、甲斐のランクはBとなる。すると、巨人移籍の際には人的または金銭の補償が発する。ネット上では、早くもソフトバンクファンが「金銭の補償はいらない。もしプロテクト28選手のなかに小林捕手が含まれていなければ、絶対に獲りにいくべきだ」といった声が多数、あげられている。
果たして、ソフトバンクはどういった決断を下すのか。
( SmartFLASH )