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【阪神】大山は流出阻止も近本光司の「単年契約」にヒヤヒヤ…球団とファンを悩ます“FAの意向”
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.22 18:05 最終更新日:2024.12.22 18:05
「“単年”で契約していただきました」
これは近年、契約交渉を終えた選手がよく口にする言葉である。球団は複数年契約を提示するも、選手が「1年1年で勝負したい」ということから、あえて単年契約を選択する。ここには、どのような意味が込められているのか。スポーツ紙デスクが解説する。
「単年という言葉を使う意味は2つあると思います。一つめは言葉通りで、あえて最も短い1年で契約し、自分を追い込むことで力を振り絞ろうというものです。もう一つは、翌年、あるいは近い時期にFA資格の取得が見込まれたときに使う。最近はこちらのほうが増えてきています。選手にとって複数年契約を提示していただけるのはありがたいけど、『他球団の話も聞いてみたい』が本音でしょう。ハッキリ言えば、選手が単年契約を主張するとなれば、FA移籍を視野に入れているというメッセージである可能性が高いです」
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ソフトバンクから巨人へのFA移籍が決まった甲斐拓也捕手は、昨オフの契約更改でチームから複数年契約を提示されたが単年契約を締結。果たせるかな今オフ、侍ジャパン常連の名捕手は他球団を選択した。
そして来年、「単年契約」という言葉に危機感を抱くチームがある。それは、藤川球児新監督を迎えた阪神である。
12月10日、契約交渉に臨んだ阪神の近本光司外野手が、5000万円増の3億7000万円で更改した(金額は推定)。大幅アップとなったが、やはり報道陣がもっとも注目していたのが契約内容で「単年か複数年か」という点だった。
そして答えは「単年」。会見場には「やはり」といったため息とともに、重苦しい空気が流れたという。
「今オフにFA宣言し、去就が注目されていた阪神の大山悠輔内野手も昨オフに球団の複数年提示を断り、あえて単年で契約していました。結局は残留となりましたが、一時、虎ファンは巨人へ流出するものと諦めていたほどです。それもこれも虎ファンは、大山の契約が単年と知っていたからです。
大山の残留はホッとしましたが、来オフは、大山よりもっとチームにいてもらわなければ困る近本のFA問題があります。しかも今回の契約交渉で、単年で契約してしまった。来年の虎ファンは、チームの成績に加え近本の去就についても心配しなければいけないのです」(阪神担当記者)
大山はチームの4番として引っ張ってきたが、好不調の波が激しかったことも事実。
一方の近本は、大山のような長打力はないが、入団6年間では毎年のように150安打前後を打ち、しかも5度の盗塁王を獲得している。ゴールデン・グラブ賞も2021年から4年連続で受賞しており、理想的なリードオフマンだ。おまけに生まれは兵庫県津名郡東浦町と甲子園のおひざ元ときている。
来季の虎ファンは、チームリーダーの“単年”という呪縛から逃れられないかもしれない。
( SmartFLASH )