スポーツ
【独自】元日ハム“チャボ”島田誠氏「大谷翔平グッズ」500万円金銭トラブルで訴訟に…疑惑のスターが反論80分「正直言って私も迷惑です!」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2024.12.27 06:00 最終更新日:2024.12.27 06:00
12月中旬、福岡地方裁判所で、ある裁判が行われていた。
内容は“不当利得返還請求事件”。その被告人は、元プロ野球選手で、コーチとしても活躍した名伯楽、島田誠氏だ。日本ハムファイターズやダイエーホークスで活躍し、“チャボ”の愛称で親しまれたかつての名選手が、今、難局に立たされているという――。
【関連記事:ダルビッシュ有、激怒「二重契約」で団野村をクビに】
「島田さんは現在70歳。プロ入りするまでは波乱万丈の野球生活を送っていました。九州産業大学を2年で中退後、社会人野球の丹羽鉦電機に入団し活躍。会社の業績悪化による廃部を経て、あけぼの通商硬式野球部に移籍。1976年に日本ハムの入団テストを受けて合格し、ドラフト外で入団します。今でいう、育成契約のようなものです」(スポーツ紙野球担当記者)
プロの“一番下”から、島田氏は不屈の努力で這い上がっていった。
「1年目から1軍に上がり、1978年からはレギュラー格の活躍を見せます。1979年には55盗塁、1980年は打率.306など活躍を続け、日ハム不動の1番バッターに。1990年オフにダイエーホークス(現ソフトバンク)に移籍し、翌年に引退しました。打率3割以上3回、ベストナイン2回、ゴールデングラブ6回と本当に名選手でしたね。盗塁も通算352と俊足でしたが、惜しくも盗塁王は逃しています」(前出・野球担当記者)
引退後は解説者として『プロ野球ニュース』(フジテレビ系)などで活躍。1997年にダイエーの一軍外野守備走塁コーチに就任して以来、長くコーチとして名をはせた。
「ダイエー・ソフトバンク時代の教え子には、後のスター選手が目白押しです。走塁指導した元メジャー選手の井口資仁さんは2度の盗塁王。村松有人さんも盗塁王。川﨑宗則さんは後にメジャーリーガーになりました。ソフトバンクを退団した2007年からは解説者や、福岡のテレビ局のコメンテーターとして活動。四国・九州アイランドリーグ・長崎セインツの臨時監督を務めたことも。2009年に横浜ベイスターズのヘッドコーチ(1年で退団)、2018年には教え子の井口が監督に就任した千葉ロッテマリーンズの臨時走塁コーチに就任するなど、数々のチームで指導者を歴任しています」(前出・野球担当)
これだけの実績を持つ島田氏が、なぜ訴えられてしまったか。ある地方紙記者は「島田さんが最近行っている事業についてトラブルを抱えているらしい」と明かす。
「島田さんは現在、福岡で『大谷翔平グッズ』を販売する事業を展開しているといいます。福岡のスポーツ用品会社が仕入れたグッズを、さらに顧客に売るという形だそうです。ところがそのビジネスで、顧客から500万円の返還を求められて訴訟になっているというのです」
本誌が福岡地裁に赴き、民事事件記録の閲覧を請求したところ、今回の訴訟の訴状を確認することができたが、たしかに、島田氏が500万円を不当に得ており、被告が損失を被っているとの記載があった。訴状によると、島田氏は2024年7月8日に原告である社長に対して「大谷翔平グッズ」の購入を持ち掛け、500万円を預けるよう請求したというのだ。それに原告は応じたものの、グッズ購入については合意していないという。原告は、裁判費用などを含む500万円余りを島田氏に請求している。
コーチや解説者としての姿を見かけなくなってから約5年後、500万円もの大金をめぐるトラブルに巻き込まれてしまった島田氏。いったい彼の身に何があったのか。本誌は12月中旬、福岡の子どもたちに野球を教える島田氏のもとへ向かった。
「島田さん、『週刊FLASH』です」。記者がこう声をかけると、驚いた様子の島田氏。「ちょっと、写真撮らないで」。初めはけん制したが、訴訟についての記者の問いかけに戸惑いを見せつつ口を開いた。解説者仕込みの饒舌ぶりは健在の様子で、彼の話は後日の電話でのやり取りを含めると延べ80分間にも及んだ。島田氏の主張はこうだ。
「訴えてきた側は、『大谷グッズ』を注文してるんですよ、約300万円分。それなのに、僕が用意した商品を受け取ってくれないんです」
こういって本誌に見せてくれたカタログには、たしかに大谷翔平関連のサインボールやユニフォームなど多くの商品が並んでいる。そして島田氏は今回の経緯の詳細を語り始めた。ことの発端は、2024年の夏だったという。
「7月に原告から、『500万円デポジットする。このお金を預かってもらって、大谷グッズを買うときはこのお金から出してくれ』と言われました。驚きましたよ。そんな大金を預けるお客さんなんていませんから。私は『そんなにしなくても』と止めたんですが、原告は聞かなかった。500万円という数字は先方から出してきたんです。
しかも、それから3日後くらいに注文を受けました。およそ250万円の大型受注でした。私はすぐに動いて商品をおろしましたよ。後日、70万7000円分の商品が私の手元に届いたんです。
しかし、時を同じくして原告がご病気になったと奥様から伺いました。商品が届いたことを伝えるために原告に電話しましたが、当然出ません。それで、原告のご自宅に商品を届けに行ったんです。その時は、奥様が対応してくれてそこで納品したんですよ」
しかし、訴状では「購入の話は、いまだ合意に達していない」との記載がある。島田氏の主張はこれと異なり、一度は商品を相手方に渡したというのだ。島田氏はさらに続ける。
「デポジットの契約からほどない8月10日に、受け取った500万円のお金の『借用書』を私どものほうで作って原告にお渡ししています。しかも、その借用書には『もし取引がなければ、500万円は丸1年後の2025年8月10日に全額お返しします』と書いてあります。
今回は『500万円を返してほしい』と訴えられたわけですが、そんなことしなくてもこの借用書がありますから、何も取引がなければ2025年の夏には全額返金されるはずなんです」
そして「大谷グッズ」の納品後、問題が発生する。
「奥様から電話が来て、『これらの商品をひきとってくれ』というのです。私は『いやいや、それはもう購入されたもので、そちらのものですよ』とお伝えしましたが、奥様にはわかってもらえず……。泣く泣く原告のご自宅まで再び行って、商品を引き取りました。
するとさらに奥様から電話が来て、『20万弱の商品をさらに購入したい』と。それで私は戸惑いながらも商品を用意したのですが、ここでもやはり原告とは連絡が取れません。それで、なしのつぶてになってしまった。
すると突然、11月の終わりごろに今回の訴状が届いたんです。『500万円を返してくれない』ということで訴えられてしまったんです。原告は買うって言ったり金を返せと言ったり、しかも借用書に『1年後にカネは返す』と書いてあるのに、私を馬鹿にしているのかと思いましたよ。注文したのも金を預けたのも、原告じゃないですか」
島田氏の口調はどんどんヒートアップしていく。
「こちらも在庫を抱えてしまっているのでね、向こうが訴えるのはおかしいですよ。輸入したスポーツ用品会社にも迷惑かけているじゃないですか。アメリカから取り寄せているわけですから。私は裏切られたようなもんですよ。向こうは500万を返せって話かもしれないけど、今ある商品の在庫を全部私が背負わないといけなくなる。注文した人が知らん顔で済むんですか?
いろんな人に迷惑かけてるんです。僕にも、元プロ野球選手としての顔がありますんでね……。正直言ってね、私も迷惑してます!」
表情に心労の色もにじむ島田氏には、新しく舞い込んできた野球の仕事があるようだ。先日、2025年から広島県廿日市市の女子硬式野球チーム「はつかいちサンブレイズ」でヘッドコーチに就任することが発表されたばかりなのだ。島田氏いわく「このような金銭トラブルは、今後の仕事上マイナスでしかない」。
彼の言い分に原告側はどう応じるのか。本誌は原告の会社に質問状を送ったものの、期日までに返答はなかった。
「裁判ですから、あとは裁判所が判断するでしょうけど……何とかまとまってくれれば」
一通り話し終えた島田氏は、少年野球指導に向かった。球界の名コーチは今、苦悩の中にいる。
( SmartFLASH )