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佐々木朗希 MLB交渉に「有名現役選手を呼ばないで!」“珍要求”の理由…大谷翔平、菊池雄星の“失敗例”を反面教師に
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2025.01.11 19:55 最終更新日:2025.01.11 19:55
ロッテからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す佐々木朗希の去就が大詰めを迎えている。佐々木の交渉期限である米東部時間23日午後5時まで、残すところ10日あまりだ。
現在佐々木は米ロサンゼルスでトレーニングを続けており、すでに複数球団との面談を終えているという。そこで話し合われた内容も気になる一方、現地では佐々木自身がリクエストしたことが話題になっているようだ。現地記者が解説する。
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「佐々木はまだ23歳ということで『25歳ルール』が適用され、獲得するための金額もそれほど莫大ということではないため、20球団が獲得の意思を示しました。その20球団は、あの手この手を使って佐々木の心を動かそうとした。その中には、所属するスター選手を面談の席に同席させ、施設面の充実などをアピールしようとした球団もあったようです。
ところが、佐々木サイドは選手が面談に同席することを拒んだそうです。その理由は、どうやら同県人の先輩日本人メジャーリーガーから学んだとのことです」
佐々木が学んだ先輩とはだれなのか。一人は、菊池雄星だ。
花巻東高時代の菊池雄星には日本の全12球団ばかりでなく、MLBの8球団もが興味を示していた。そのMLBのなかの一つであるテキサス・レンジャースは、菊池と面談するために岩手まで足を延ばし、球団のスカウトばかりか、その年にメジャーに定着し、近い将来MLBのエースに成長するだろうと言われていたデレク・ホランドを同席させた。まだプロの世界でなにも成し遂げていない18歳の少年獲得のため、そこまでやってみせたのだ。しかしながら、菊池が西武を選んだのは言うまでもない。
佐々木のもう一人の先輩、大谷翔平獲得の際は、さらにレベルアップした戦略が用いられた。
2017年、ロサンゼルス・ドジャースは、日ハムからMLB移籍を目指す大谷に対して、クレイトン・カーショウを面談の席に同席させている。レンジャースのホランドと違い、この年のカーショウは18勝で3度めの最多勝に輝くなど、“現役最強左腕”と讃えられていた存在だった。
さらに大谷は、2023年にFA資格を取得したことで多くの球団と面談したが、この時も現役選手の同席で球団がアピールすることはあった。また、サンフランシスコ・ジャイアンツにいたっては、すでに2021年に引退していたチームのレジェンド捕手、バスター・ポージーを同席させている。大谷獲得のためにポージーが熱弁を振るったのは有名な話だ。
これら3つのケースで、選手やOBの尽力は入団に結びつかなかった。それどころか、結婚記念日だったにもかかわらず面談への同席を優先させたカーショウは「(当時は)DH制のあるア・リーグにしか興味はなかったようだ。時間の無駄だった」と怒りの告発をしている。これに代表されるように、わざわざ出て行っても、その結果によってはしこりを残すことにもつながっているのだ。
「レ軍のホランドにしても、遠い日本までわざわざ行ったにもかかわらず、菊池はMLBどころか西武入りしたわけですからね。『何のために日本まで行ったんだ?』と感じても不思議ではありません。今では互いにリスペクトし合う大谷とカーショウですが、確執があったことは佐々木も知っています。
佐々木にとってみれば、どのチームを選んでも後々しこりを残したくなかったのでしょう。有名選手の面談への同席は断っているようです」(同前)
偉大な先輩たちの教訓を生かして、佐々木が選ぶ球団はどこか。もうすぐ、結論が出る。
( SmartFLASH )