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森保一監督 3週間もの「超ロング欧州視察」の理由 うかがえる“新戦力発掘”への本気度
サムライブルーの森保一監督が1月19日、熊本市内で取材に応じ、今月末から3週間にも及ぶ長丁場の欧州視察を行うと発表した。
これは3月20日にホームで行われる2026年北中米ワールドカップアジア最終予選の対バーレーン戦に向けたメンバー選考。日本は他会場の結果にもよるが、勝てば文句なしで8大会連続出場を世界最速で決めることとなる。
森保監督は「コーチ陣とローテーションしながら、常に誰かが見られる環境づくりをしていく」と意気込みを語っている。
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「もちろん今回の視察は、ともに埼玉スタジアムで行われるバーレーン戦と3月25日のサウジアラビア戦に向けたメンバー選考のためです。ただ、そのあと6月に行われるサウジアラビア、インドネシアとの最終予選や強化試合、そして本番に向けたものでもあります。
バーレーン戦に勝って本大会出場を決めれば、6月の2試合は消化試合となり、新戦力を試すことができるわけです。例えば試合開始早々に退場者を2人出すなど、とんでもないハプニングがなければ日本がホームでバーレーンに負けるはずがない。なので、森保監督としては先を見越してのメンバー選考が重要だと考えているはずです」(サッカーライター)
森保監督が注目している選手では、まず独・ブンデスリーガで、日に日に存在感を増しているマインツの佐野海舟が挙げられる。
中盤の底、いわゆるボランチが主戦場だが、あらゆる局面に顔を出し、根こそぎボールを奪っていく。日本代表で同じポジションをこなす遠藤航主将と同じポジションだが、遠藤同様、いまやブンデスリーガで“デュエル王”(一対一で競り合うこと)といえば彼の愛称に定着しつつある。
また、佐野が素晴らしいのは、ボールを奪って仕事を終えるのではなく、そこから前線に飛び出し、ゴールに直結するプレーができることにある。
こうした佐野のプレーについて、マインツのボー・ヘンリクセン監督は「チームメイトはサノと練習でプレーするのが最も厄介だと言っている」と激賞。理由として「速く、テクニックも優れており、そしてとんでもない距離を走れる」とし、「ブンデスリーガだけでなく、このポジションで最高の選手になる素質がある」とまで言い切った。
代表でボランチといえば、遠藤と守田英正がファーストチョイスだが、遠藤は所属のリバプールでスタメンをはく奪され、試合感覚に不安があると見る識者もいる。逆に守田は、リーグとカップ戦、さらにチャンピオンズリーグと試合数が多いため、29歳という年齢を考えれば、逆にコンディションの不安もある。だからこそ佐野がベンチに控えていれば、同ポジションのなかでも厚みが出てくることは間違いない。
佐野は2024年7月に不同意性交容疑で逮捕されたが、不起訴処分となったため、代表復帰の道は見えてきている。
「ブンデスリーガには森保監督が注目している選手が多くいます。ドイツと日本の世代別代表に選ばれ、バルセロナが獲得に動いたブレーメンのGK長田澪(ミオ・バックハウス)とシュツットガルト所属で圧倒的な身体能力を誇るDFチェイス・アンリの2人。ともにハーフ選手で、スケールの大きさはこれまでの選手にないものです。こうした多くの新戦力を見つけるためにも、3週間以上の時間は必要だったのでしょう。それを実現させるため、3月のバーレーン戦で勝利し、世界最速でW杯出場を決める必要があります」(前出・ライター)
森保監督が掲げる「W杯優勝」のためには、新戦力はいくらいてもいい。