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豊昇龍「ともえ戦」制し横綱へ急接近、実力発揮を助けた“装備品”とは
2025年1月26日、大相撲初場所で大関・豊昇龍が2度目の優勝を果たした。初場所千秋楽の段階で、12勝3敗で金峰山、豊昇龍、王鵬の三者が並んだ状態。優勝決定戦は、2連勝した力士が優勝となる「ともえ戦」で行われた。ここで、金峰山、王鵬を続けて下した豊昇龍が優勝をつかんだのだ。
豊昇龍はここ2場所で準優勝と優勝が続いたことで、日本相撲協会審判部は打ち出し後、八角理事長(元横綱・北勝海)に横綱昇進を諮る臨時理事会の招集を要請した。
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ともえ戦に向け、条件は豊昇龍がいちばん悪かった。幕内最後の取り組みである「結びの一番」に臨んでいたこともあり、ともえ戦への準備時間はいちばん短かったからだ。しかもともえ戦はトップバッターで、金峰山と対戦することに。さらに勝利してほとんど休む間もなく王鵬戦。ともに豊昇龍が下し、まさに地力を見せつけての優勝となった。
この日だけで3番に勝利した豊昇龍が力を発揮することに役立ったと言われている“装備品”がある。それが、マウスピースだ。
「マウスピースは、歯や顎への負担を軽減するために選手が使用するのが主です。真っ先に思い出すのはボクシングでしょうが、一部の格闘技やアメリカンフットボール、アイスホッケーなど、打撃戦やボディコンタクトの激しいスポーツは、装着が義務付けられています。
近年はラグビーで着用が当たり前となり、サッカーでも日本代表主将の遠藤航に代表されるように、他競技にも拡大しています」(スポーツ記者)
ところが同じ格闘技である大相撲では、敬遠される動きがあったという。
「大相撲は何よりも伝統を重んじていて、『まわし一つでとるのが相撲』という考えが優先されていました。かつては肘、膝などに巻くテーピングやサポーターでさえ、良しとしない考えが横行していたくらいです。なので『マウスピースなどもってのほか』といった考えを、協会、親方のみならず、横綱審議委員会も持っていたんです。
しかし、力士の平均体重が160kgを超えて大型化が進み、そんなことも言ってられなくなりました。160kgの力士同士がぶつかると、その衝撃は2tにもなるという説があります。当然けがは多くなり、いまではテーピングやサポーターをしていない力士を捜すほうが難しくなっているほどです。
当然、体がぶつかる際の衝撃から歯を食いしばるわけですから、歯の欠損予防のためにもマウスピース使用は見直されるようになったんです。いまでは豊昇龍以外にも使用している力士は多いです」(スポーツ紙相撲担当記者)
豊昇龍はマウスピースの力も借りて、横綱に近づいたことになるが、「日本相撲協会もホッとしているでしょう」と続ける。
「なぜなら、今年の10月15~19日までの期間、英・ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで海外公演が行われます。その際、横綱不在で土俵入りがなければ格好がつかなかったわけですからね。
ただ、非常に心配な点もあります。入幕してしばらくは『礼儀正しい好青年』という評判だったんですが、番付が上がるたびに『横柄になってきた』と言われ始めたんです。土俵上でも立ち合いを合わせようとせずに、まわしをつけたまま審判部に呼び出されて注意されたことも。これは異例な出来事でした。そこがちょっと気になるところですが……」
優勝から一夜明けた27日、恒例の会見に豊昇龍は遅刻。その理由はなんと「寝坊」だったことが報じられた。歯のガードとともに、礼節もしっかりガードしていただきたい。