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大谷翔平も実力を認めたエンゼルスのスラッガーが「史上最悪の不良債権」に…ファンからは“幻の共演”惜しむ声

2024年9月に、“敵同士”として対面した大谷とレンドン。その差は開く一方だ(写真・AP/アフロ)
もはやここまできたら、日本風にいえば厄払いでもする以外ないのではないか――。エンゼルス所属のアンソニー・レンドン内野手が、2025年も苦しんでいる。
2019年、ワシントン・ナショナルズに所属していたレンドンは、シーズン146試合に出場、打率.319、34本塁打、126打点の好成績を残して打点王に輝き、ナ・リーグ東地区での優勝に貢献。シーズン中の勢いそのままで臨んだポストシーズンでも打ちまくり、球団を初のワールドシリーズ制覇に導いた。ポストシーズン全体で打率.328、5本塁打、15打点、OPS1.003は、まさにMVP級の活躍だった。オフにはシルバースラッガー賞を5年ぶりに受賞。同年から新設されたオールMLBチームのファーストチーム三塁手に選ばれた。
これだけの活躍を見せれば、オフにエンゼルスと結んだ7年2億4500万ドル――現在の価値でいえば、約372億円にも上る契約も、当然だったのかもしれない。
エンゼルス加入1年めの2020年は、新型コロナウイルスの影響で162試合が60試合に短縮されたため、52試合に出場、打率.286、9本塁打、31打点と、巨額契約としてはギリギリの成績を残した。
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ところが162試合制に戻った2021年からは、毎年のように期待を裏切り続けることに……。
出場試合も58,47、43,57と半分にも満たない。繰り返すけがによる長期欠場にファンからも「チームに必要ない」といった意見が大半を占めていた。
当然、そうした声はレンドンにも届いており、ファンとのいさかいも絶えなかった。
「2023年の開幕戦では、敵地の男性ファンから浴びせられたひとことに激高し、手を出したとして5試合の出場停止処分を受けました。『試合では貢献できないのに、話題となるのはファンとのいさかいだけか』と言われ始め、このころには『チームに必要ない』だった評価が『エンゼルス史上最悪の不良債権』と呼ばれるようになってしまったのです。
決定的だったのは、2024年オフに『家族や信仰が優先、で野球はあくまで仕事』といった旨のコメントを発したこと。加えて年俸50億円以上を毎年もらいながら、つねに年間で半分以上の試合を休むことにファンはあきれるばかりで、彼の話題さえしなくなりました」(現地記者)
それでも2019年に大活躍した姿を知るファンは、「今年こそ!」と期待し、自主トレでは順調に調子を上げていることを本人も認めていた。
ところが2月13日(日本時間)、レンドンが股関節の手術のため長期離脱することが明らかになったのである。
「かつてレンドンの加入後、エンゼルスの2番トラウト、3番大谷翔平、4番レンドンと続く打線は、MLB屈指といわれ、大いに期待されました。かつては大谷もレンドンの実力を認め、『お互いが刺激し合える仲』と語っていたほどだったんです。それだけに毎年、故障続きの現状に、大谷も心配を寄せていたのですが……。その心配が、大谷なきエンゼルスで現実のものになってしまいました。
一部では、レンドンの“引退説”まで報じられている現状です。日本のMLBファンからは『大谷がエンゼルスにいるときに、レンドンとの強力打線を見たかった』と惜しまれる声も飛びかっています」(同前)
大谷がエ軍を去ってわずか2年で、2人の立場は「ユニコーン」と「史上最悪の不良債権」と変わってしまったようだ。