スポーツ
藤浪晋太郎「好投の次は大乱調」直らぬ制球難で吹き出した「今年はついにメジャーから退場」の現地評

乱調続きで心配される藤浪晋太郎(写真・AP/アフロ)
この結果をどこまで信じていいのだろう。MLBマリナーズのキャンプに招待選手として参加していた藤浪晋太郎投手が、3月3日(日本時間4日)、アリゾナ州ピオリアでのガーディアンズとのオープン戦に5番手として登板。1回を1安打無失点に抑えた。
課題とされるコントロールも、打者4人に14球を投げて、ボールはわずか5球という正確さ。代名詞であるストレートも最速約159km/hをマークするなど、首脳陣に対してのアピールはまずまずといったところだ。
【関連記事:藤浪晋太郎、メジャーで大不調も日本帰国は遠く…「どんな手を使っても」背景にあるのは辣腕代理人 “吸血鬼” の存在】
しかし現地記者は、「この日の投球が『彼の真の姿』だと信用できないのでは」と語る。
「160km/hを超すストレートに落差の大きいスプリットと、持ち球が一級品であることは疑いようがありません。その大きな武器を持ちながら、昨季メジャーで未登板だったのは、一にも二にもコントロールの悪さに尽きます。
『昨日は内容がよかったけど今日はダメ』というのならまだしも、1回の登板で “表と裏の顔” が見えてしまう。トップバッターを簡単に三振に取ったかと思えば、2番打者には死球。その後ストライクが一球も入らず、塁を埋めてからの適時打なんてことはしょっちゅうでした。こんな内容では怖くて使えません」
昨季、藤浪はメッツと「年俸335万ドル(約5億円)+ 出来高85万ドル(約1億3000万円)」の好条件で単年契約を結んだ。
しかし、オープン戦から制球難に苦しみ、5登板で防御率12.27と結果を残せず、3A(マイナーリーグトップでの最上位)のシラキュース・メッツへ降格。
その後、5月14日にメジャー昇格するも、右肩痛を理由として同日に故障者リスト入りの不運を味わった。結局、メジャーで投げることは一度もなくシーズンが終わる。
3Aでは14試合に登板して1勝0敗、防御率10.95と大きく期待を大きく裏切ったが、なによりコントロールのひどさに関しては辛辣に取りざたされてきた。だからこそ、前出の記者も「信用することはできない」と語るのだ。では、今季はどうだろうか。
「不安定さは今季も継続中です。初のオープン戦登板となった2月23日のダイヤモンドバックス戦では、1回を投げ無安打2奪三振、1四球、無失点と “表の顔” を見せたかと思うと、続く2戦めは、“裏の顔” が思いっきり姿を見せたのです。
27日のジャイアンツ戦でいきなり先頭打者に死球。続く打者に四球、さらに一塁ゴロに失策もからんで失点すると、四球、二塁打を浴びて3点目を失っています。その後、三振でワンアウトを取ったところで降板しましたが、代わった投手が背負ったランナーをすべて返してしまい、自責点は4になりました。
1戦め好投、2戦め大乱調の計2試合の合計で1回2/3を投げ、防御率21.60。メジャー昇格へのアピールどころか、いつキャンプから退場を告げられてもおかしくない成績です」(スポーツ記者)
だが、そこに来て3戦めの好投。首脳陣も冒頭の言葉のように、「どこまで信じていいのかわからない」ということが本音だろう。
大谷翔平と同期生で、かつては「投手としては大谷より上」と言われていた藤浪。高卒ながら阪神入団1年めから3年連続二けた勝利を収めていれば、それも当然だったのだが……。
記録が途切れたのが2016年。あとは坂道を転がり落ちるような野球人生とみる向きもある。今年こそは、復活の姿を見られるだろうか。