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【欧州サッカー】三笘薫が144億円オファーを一蹴「愚か者」から「日本の良識」に評価一変、久保建英もオイルマネーを拒否

ブライトンでプレーする三笘薫(写真・ZUMA Press/アフロ)
“サッカーの母国”英・プレミアリーグでも、突出したドリブラーに成長したブライトン所属の三笘薫。その彼のもとに巨額な移籍オファーが届いていたことが明るみに出たのは、2025年1月30日のことだった。
オファーを出したのはサウジアラビアの強豪アル・ナスルで、その金額は5400万ポンド(約103億円)にも上った。だが、三笘とブライトン側はこれを拒否。すると諦めきれないアル・ナスルは額を約144億円まで吊り上げたが、再度三笘とブライトンは拒否した。
「もし、このオファーを受けていれば、『三笘は大金持ちになり、ブライトンも移籍によって得た大金でいい選手を数人買えたのに』といった意見がイングランドで多かったのは致し方ないことでした。それほど大きくないクラブは、『選手を育て、高く売る』ことが常識だったからです。
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また、三笘個人に対しては、『信じられない。移籍拒否は愚かな決断だ』という声さえ上がりました」(サッカーライター)
こうした巨額オファーをサウジアラビアが出すようになったのは、2022年のことだった。同年の大晦日、同じくアル・ナスルがクリスティアーノ・ロナウドを年俸約320億円という破格の条件で獲得して以来、オイルマネーをもとに、各国のスーパースターを狙い続けた。
「ロナウド以降、ベンゼマ(レアル)、カンテ(チェルシー)、マフレズ(マンC)、マネ(バイエルン)、フィルミーノ(リバプール)ら世界のスーパースターたちがサウジアラビアに渡りました。
共通しているのは、ベテランと言われる年齢の高い選手が多かったこと。彼らにしてみれば引退前の『最後のひと稼ぎ』ということなんでしょう。
しかし、叫ばれたのは給料の遅配や練習場、クラブハウス等の環境面の悪さ。また高温多湿の気候も手伝って、契約期間内に自ら契約を解除してしまう選手も少なくありませんでした。ネイマールはアルヒラルと2年契約を結びましたが、わずか7試合のみで退団。それでも年俸の約半分の100億円を手にしたと言われています」(同前)
途中退団など契約満了といかなくても、契約してしまえば高額な年俸をほとんどもらうことができるのがプロスポーツの世界。それを見越してイングランドの人たちは「三笘は愚かだ」と発言したのだろう。
しかし、三笘のひと言がすべてを変えた。
「三笘は『レベルの高いリーグでプレーすることが重要なのです』と言い放ちました。この痛快なコメント以降、三笘への評価は『愚か者』から『日本の良識』へと変わりましたね」(同前)
また、久保建英のもとにも三笘以上のオファーが飛び込んできた。それでも三笘同様、久保は首を縦に振らなかった。その理由をフランス紙『レキップ』では次のように述べた。
「子供の頃から私にとって最も重要なことは、最高の選手と対戦し、最高の選手と一緒にプレーすることです」
スペインにも“日本の良識”は存在した。