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大谷翔平は “演技” のこだわりもすごかった…CM現場ではスライディングを「志願の再撮」20回超のSHOW TIME!

日本での開幕シリーズ第2戦で1号本塁打を放った大谷。米国での開幕戦でも2号本塁打(写真・桑原靖)
日米のプロ野球が本格的に開幕し、球春到来を告げた。今年も、ドジャースの大谷翔平(30)の動向から目を離せない日々が続きそうだが、米スポーツビジネスニュース「スポーティコ」は3月20日(日本時間)、大谷がスポンサー収入だけで1億ドル(約149億円)を超える見込みだと報じた。
1億ドル超えは日米の球界にとっても初のことで、スポーツ界全体を見渡してもゴルフのタイガー・ウッズ、テニスのロジャー・フェデラー、NBAのステフィン・カリーら、3人だけという偉業だ。そんなレジェンドと肩を並べた大谷は現在、18社の企業とCM契約を結んでいる。
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「大谷選手の場合は『特定の企業が過度の契約金を支払うようなマッチポンプになる』、また『クライアントによってはライバル企業との競合を制限する』ようなことが想定されるので、基本的には電通が幹事社となって “交通整理” をおこなっています。
また契約条件ですが、大谷選手の場合は基本は複数年契約で、単年あたりでは約3億3000万円からというものになっています」(大手広告代理店関係者)
副収入だけでも恐ろしい額になるが、CM撮影現場での大谷の “役者” としての実力はいかほどのものなのか。今回、実際に大谷のCM撮影に携わった複数のスタッフに、撮影時の秘話を聞いた。
■納得いくまで何度もモニターをチェック
「もの作りに対する姿勢に驚かされました」と語るのは、コーセーのスキンケア商品「雪肌精」の撮影スタッフだ。
「決めカットを撮影中、『今のを見せてもらっていいですか?』と、何度もモニターを確認していたことに驚かされました。
また、スライディングのシーンでは、怪我防止のために特殊なマットを敷いて私服風の衣装でやってもらったのですが、ここでも何度もモニターを確認して、『もう1回やらせてもらえますか?』と、納得がいくまで合計で20回以上も繰り返してくれました。
『どうしても、本当のスライディングじゃないので体が緩んじゃうんですよね』と、最後は何枚も重ねていたマットを1枚だけにして、見事なスライディングを披露してOKとなりました」
今年3月17日からオンエアされているのが、伊藤園の「お〜いお茶」のCMだ。
「『お茶の常識、すてましょう。』というキャッチコピーと、その世界観を見せるために、大谷選手には野球ではなくサッカーボールをリフティングしてもらう、というコンテで撮影に臨みました。
高校時代によくサッカーをやっていたそうなのですが、最初は『あれっ、なんか下手になっている』『あ〜、今のはヒドい!』などと照れていましたが、やっていくうちに思い出したのか、最後はサッカー選手かと勘違いするぐらいの見事なリフティングでした。
じつは、撮影スタッフとしては『悪戦苦闘する大谷翔平』を狙っていたのですが(笑)、うますぎておもしろくないということもあって、CMではNGになったカットも差し込んでいます。
『サッカーをやっていても一流になったでしょうね?』と聞くと、『今からでも間に合いますかね?』と、場を和ませてくれました。
実際に他競技への興味を聞くと『アメフトとか興味がありますね。米国では人気スポーツですし、クオーターバックとかカッコいいじゃないですか』と即答してました」
大谷にとって「睡眠は不可欠で重要です」というだけあって、nishikawa(西川)の撮影現場は、 “素の大谷” が垣間見えたという。ただし、女性スタッフにはやや刺激が強すぎたようで……。
「『快適な眠りを追求する』をコンセプトに、いろいろな数値を取らせていただきました。そのときTシャツ1枚だったのですが、とにかく筋骨隆々の肉体がすごすぎて。もう、見ているだけでため息が出るというか(笑)。
とにかく寝ることが好きなようで『ほっとくと10時間以上寝られますね』と。さらに『最近、僕いびきかくんですよね』と、小声で恥ずかしそうに囁いていたのがキュートでした。もしかしたら、真美子さんから指摘されたのかなと想像してしまいました(笑)」
パスタなどで有名な「日清製粉ウェルナ」のCMも今春から。じつは撮影中、スタッフはハラハラ、ドキドキだったという。
「『パスタは簡単にできますし、栄養源としても優秀なので、独身時代はよく作っていました。試合前のエネルギー源として、オリーブオイルとニンニクと塩、コショウだけのシンプルなパスタを食べていました』と話していました。
撮影では包丁や火を扱うシーンがあったので、万が一怪我でもしたら大変だと不安もよぎりましたが、無事に終えてくれました。もちろん、大谷選手のために “手厚い保険” にも加入していました」
2023年12月に、エンゼルスからドジャースに移籍したことで、動揺を隠せなかったのが、三菱UFJ銀行だった。
「当行のコーポレートカラーは『赤』で、2023年シーズンまで所属していたエンゼルスも同じ色でした。広告やPOPなど、大谷選手のイメージがそのまま流用できて都合がよかったのですが、移籍してチームカラーが『青』に変わってしまった。『青』が似合っていて違和感はないのですが、さすがにその色はCMなどでは使えません。
現在掲示している広告物は、『赤』の長袖のシャツを着用しています。撮影の際にコンテを説明すると『なるほど、これって大人の事情ってやつですね』と、いたずらっコのように笑っていたのが印象的でした」
■“50-50” の偉業達成で、新契約形態がスタート
現在、大谷のCM契約は18社だが、スポンサー契約を含めれば20社を超える。昨季、 “50−50” の偉業を達成したことで、その価値はさらに高まったという。
「大谷選手は日本国内のみならず、いまや全米でも影響力は絶大ですから、今年から新たな契約形態が始まりました。それは『伊藤園』のワールドワイド契約です。
同社は大谷選手本人だけでなく、ドジャース、さらにはMLBとも契約して、ドジャースタジアムでの広告展開や販売もおこなうという一大プロジェクトです。さらに、店頭のPOPやポスターの等身大広告、自動販売機やペットボトルにもド軍のユニホームを着た大谷選手を掲示することができる契約です。
これに生じる権利は、ほかのクライアントの比ではありません。契約料も100億円以上となり、それをMLB、ド軍、大谷選手で分配するのですが、少なくとも10%程度の配分を得るはずなので、大谷選手へは約10億円が入る計算です」(前出・広告代理店関係者)
しかも「驚きはこれだけではありません」と続ける。
「特筆すべきは、世界で5億人が遊ぶといわれているバトルロイヤル型のオンライン対戦ゲーム『Fortnite(フォートナイト)』と契約したことです。同ゲームは基本プレイは無料ですが、自分が操作するキャラクターの見た目を変えることができる『スキン』が販売されています。
そして今回、大谷選手の見た目になれるスキンが発売されたのです。用意されたスキンは、ドジャースのホームとビジターのユニホーム姿に加え、甲冑姿の『サムライ翔平』や、愛犬のデコピンを模したアクセサリーまで登場しています。
このスキンは、3月18日午前9時より発売されました。つまり、MLB東京シリーズの開幕戦の日から、ゲーム上で大谷選手になりきることが可能になったのです。
世界的に人気なゲームゆえに『フォートナイト』との契約料は、ほかのCM契約と比べても巨額になると思われます。大谷選手のスキンは1種類で約1500円、全種類セットとなったものが約2800円で販売されています。
そもそも、フォートナイトに課金される金額は月間数百億円、年間で1000億円を超えています。大谷選手のスキンは大人気でしょうから、そのうちの数%が大谷選手に入ると考えると、恐ろしい金額になりますね」
他の追随を許さない圧倒的なブランド力。今季 “二刀流” で再び偉業を達成したら……大谷の広告価値は異次元ゾーンに突入だ。
写真・桑原 靖