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「疑問しかありません」ドジャース・ロバーツ監督の「チャーター機」への“こだわり”に現地記者が指摘した“まさかの可能性”

MLB東京シリーズでのロバーツ監督(写真・桑原靖)
2025年4月14日から始まった「ABEMA」によるドジャース監督・デーブ・ロバーツ氏へのインタビュー企画『おはようロバーツ』。
MLBの年間試合数は162試合と、NPBの143試合より20試合近くも多く、その長くタフなシーズンをいかにして戦うのか、ロバーツ監督の戦略や構想などを伝えている。また視聴者からの質問も受け付け、人気拡大に拍車をかけている。
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ところが、5月5日放送のロバーツ監督のコメントが物議を醸している。
シカゴに遠征中だったため、ホテルの一室で行われたインタビュー。そのなかで職場でのコミュニケーション不足の人たちへひと役買えればと、ド軍独特のコミュニケーションの取り方を話し始めた。それによるとド軍は遠征時、選手専用と監督以下、スタッフ、同行する関係者用のチャーター機2機を用意するという。1機に選手全員を載せる理由を聞かれたロバーツ監督は、「選手間のコミュニケーションを深めるため」と説明した。
さらに「(機内で)選手たちが一緒の時間を過ごしてほしいんです。移動中に関係性を築いてほしい。これをやっているのは、野球界ではド軍だけなんです」と強調。しかも、この改革は、ロバーツ監督によって実施されたことも加えて披露した。
「コミュニケーションの部分だけ聞くと、ロバーツ監督らしいやり方だな、と納得できます。試合前のベンチ内でも選手たちとハイタッチなどのパフォーマンスを積極的に行って、いかにコミュニケーションをとることが大事なのか、実践していますからね。
しかし、移動に使うのはバスや電車ではなく、飛行機なんです。いくら技術的に進歩しているとはいえ、まさかの事故の可能性は否定できない。そうなったら単なるケガでは済まないのは明白なんです。ほんのわずかな可能性とはいえ、あえて1機に選手全員を乗せる、しかも自身の考えで実施し、ド軍は唯一の存在と自画自賛するロバーツ監督の姿には、疑問しかありません。
また、多くの球団は1機に監督以下、選手、スタッフのほか報道陣も便乗することが恒例。なので、機内で即席の取材が始まることもよくあることなんです。移動時間は休息の時間でもありますから、それを避ける意味でも選手以外は乗せないと思っているのでしょうが……」(現地記者)
2000年代に入り、プロスポーツ界での飛行機事故で思い出されるのは、2016年11月28日のブラジルのサッカークラブ、シャペコエンセのことだろう。ラミア航空2933便がコロンビアで墜落し、搭乗していた71名が命を落としたこの出来事は「シャペコエンセの悲劇」として記憶されている。
この事故により、クラブばかりかブラジルサッカー界の将来を担う若き才能が多く失われている。搭乗していたシャペコエンセの監督・選手・役員50人が死亡。その中には監督のカイオ・ジュニオール(2009年ヴィッセル神戸監督)をはじめ、2013年J2得点王のケンペスなど、Jリーグに馴染みのある選手が何人も含まれていた。
この事故を教訓にしてスポーツのジャンルを問わず、多くのチームが1機に選手全員を乗せることは控えるようになっていたのだが……。