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ダルビッシュ有、269日ぶり復帰登板で大歓声…試合後は “亡き義兄” のTシャツ着て次戦の意気込みも

2025年7月8日(日本時間9日)、今期初登板を果たしたダルビッシュ有(写真・アフロ)
2025年7月8日(日本時間9日)、右肘のケガで負傷者リスト(IL)入りしていたパドレスのダルビッシュ有が、今季初登板を果たした。2024年10月11日のドジャースとの地区シリーズ第5戦以来、269日ぶりの登坂となった。
3回2/3で63球を投げ、フォーシームの最速は95.9マイル(約154.3キロ)をマーク。3安打4四死球で2失点も、三振を5つ奪い、ケガ前と変わらぬ剛腕ぶりを見せつけた。味方の援護もなく負け投手となったが、パドレスの本拠地ペトコ・パークは、「ユウ」と大声援に包まれた。
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試合後の会見で、いつもと変わらぬ落ち着いた受け答えを始め、「(リハビリ期間については)あきらめたことが何回もありました。この数カ月は。またこうやってマウンドに立てて、たくさんの人の前で投げることができて本当によかった」と、いままでになく追い詰められていた心境も吐露した。
誰よりも体を大事にし、野球への探求心は例を見ないほどの存在とまで賞賛されるダルビッシュだが、8月16日には39歳になる。ケガをした当初は、「それほどかからない」と言われたが、復帰まで3カ月以上を要したことが不安を募らせたという。
そのことについて、「医学的にちょっと難しいんじゃないかと。あまり深くは言えないんですけど」と、不安と戦った日々を思い出していた。
そして、会見中にはリハビリ期間だけでなく、服装にも注目が集まった。
「2018年9月にがんで死去した総合格闘家で義兄の山本 “KID” 徳郁さん(享年41)の写真がプリントされたTシャツを着用していたんです。以前、このTシャツを着たときは記者の間で『あれは誰だ?』と話題になりましたが、もう何回もお目見えしていますから。何度も “あきらめ” を感じるたび、KIDさんに励ましてもらったんじゃないですかね。
これまでも、2022年10月のメッツとのワイルドカードシリーズや、2024年10月のドジャースとのナ・リーグ地区シリーズなどの節目の試合で着用していました」(スポーツ紙デスク)
Xでも、ダルビッシュを絶賛する声が多数寄せられている。
《義理堅いな〜 ダルビッシュ有 山本KIDの試合を何回も リアル観戦したから 泣けてくるわ。 めちゃいいヤツ ダルビッシュ有!!》
《ダルビッシュ、山本“KID”徳郁のTシャツ着てたのか!何か泣ける》
《ダルビッシュのこういうとこいいな!》
ダルビッシュは、初登板について「第1段階として、こういうメジャーの試合で投げられたことはステップになるし、次も課題があるので、1つずつクリアできるようにやっていきたい」と振り返った。次回の登板予定は7月12日(同13日)のフィリーズ戦。初登板では63球だったが、「毎試合15球ずつ増やしていく形になると思います」とした。
義兄の思いも胸に、マウンドに上がるのだろう──。