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セ・リーグ、2027年に「DH制」導入…最後の最後まで導入が遅れた理由は “超有名監督” の長年の反対だった

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記事投稿日:2025.08.05 17:35 最終更新日:2025.08.05 17:35
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
セ・リーグ、2027年に「DH制」導入…最後の最後まで導入が遅れた理由は “超有名監督” の長年の反対だった

2025年8月4日、セ・リーグにDH制を導入すると発表した鈴木清明理事長(写真・共同通信)

 

 ようやく重い腰を上げたということか──。

 

 セ・リーグの理事会が8月4日に都内で開かれ、2027年シーズンから指名打者(DH)制の導入が正式に決まった。

 

 DH制が球界に初めて導入されたのはMLBのア・リーグで、1972年のことだった。その後、大谷翔平がエンゼルス入りしたことでMLB全体でも一気に話は進み、2022年からはナ・リーグも正式に導入した。

 

 日本球界でも、社会人野球ではすでに導入していて、東京六大学リーグや関西学生リーグも来春のリーグ戦から採用が予定されている。これで全日本大学連盟に加入している全27連盟すべてでDH制が見られることになった。

 

 

 また、日本高野連も来年のセンバツから導入することを決定。加えてWBCや五輪など主要な国際大会でも採用されていることから、残りはセ・リーグただひとつになっていた。

 

 2019年、セ・リーグにもDH制を導入すべきと声をあげたのが、当時、巨人の監督を務めていた原辰徳氏だ。背景には日本シリーズでソフトバンクに4連敗したことがあり、DH制を導入している球団のほうが有利であると痛感したからのようだ。

 

 翌年1月におこなわれた12球団監督会議で、原氏は正式にDH制導入を提案。原氏にとって、DH制導入は悲願だった。残念ながら、在任中の導入は叶わなかったが……。

 

「セ・リーグの監督間の話し合いでは、毎年のように意見が割れていました。巨人は原監督が提案して以降、一貫して導入に賛成の姿勢を取っていました。

 

 その一方、阪神の岡田彰布監督は『俺はずっと反対。(理由は)監督が楽すぎる。打順をシャッフルしたり、ピッチャーが回ってくるとか回ってこないとか、そういう醍醐味がちょっとない』と反対していたんです」(スポーツ紙デスク)

 

 犬猿の仲である巨人と阪神の意見が真っ二つになるなか、今回導入に踏み切ったワケとは。

 

「かたくなに反対していた岡田氏の監督辞任が追い風になったようです。また、導入していないのはセ・リーグだけというのも大きな理由でしょう。

 

 導入が2027年と少し先になったのは、スカウティングに関係しています。これまでセ・リーグはDHへの適性は考えていなかったわけですが、今後は違った角度からも選手を見なければいけない。

 

 極端に言えば、キャッチボールができなくても、バッティングさえよければ獲ることができる。そうした選手を見極めるため、導入が延びたということでしょう」(同)

 

 鈴木清明セ・リーグ理事長は「新たなセ・リーグの野球に挑戦する時期が来た」と話したが、導入の順番が球界で最後の最後とは、大いに考えさせられる結果だろう。

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