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バンタム級王者「中谷潤人」ベルト返上でスーパーバンダム級に転向…統一王者・井上尚弥との勝敗予想は?

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記事投稿日:2025.09.19 18:50 最終更新日:2025.09.19 18:50
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
バンタム級王者「中谷潤人」ベルト返上でスーパーバンダム級に転向…統一王者・井上尚弥との勝敗予想は?

スーパーバンタム級への転向を発表した中谷潤人(写真・共同通信)

 

「中谷く~ん、あと1勝! 12月お互い頑張って、来年5月に一緒に東京ドームを盛り上げましょう!」

 

 9月14日、プロボクシングスーパーバンタム級4団体タイトルマッチがおこなわれ、統一王者井上尚弥(大橋)がWBA暫定王者・ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を3-0(判定は117-111、118ー110、118ー110)で退け、史上最多記録を更新する5度めの4団体王座同時防衛に成功した。

 

 

「完勝でした。井上がこれまで戦ったなかで最強と謳われ、対戦前は『もしや?』の声まであがったほどでしたが、いざ試合が始まると、アフマダリエフは1ラウンドから最終12ラウンドまで完全に試合を支配されました。

 

『ボクシングにおけるオフェンスはこう、ディフェンスはこう』と “公開レッスン” を施しているかのような実力差でした。あらためて愛称の『モンスター』が間違いではなかったことも証明しました」(ボクシングライター)

 

 本人も手ごたえを感じていたに違いない。その喜びもあってか、勝利者インタビューの最中に自ら話を中断し、観戦に訪れていた中谷潤人(M・T)に冒頭のメッセージを投げかけたのだ。

 

 中谷は会場を後にする途中だったが、立ち止まって井上に笑顔でガッツポーズ。会場は試合同様、大歓声に包まれた。

 

 それから4日たった9月18日、今度は中谷が井上の要請に応えるかのように、神奈川・相模原市のM・Tで記者会見。保持していたバンタム級のWBC、IBFの2本のベルトを返上し、階級をスーパーバンタム級に上げることを発表した。

 

 これで、井上vs.中谷という、日本ボクシング史上最高のカードに支障はなくなった。

 

「中谷はいつもニコニコしていて、インタビューの受け答えも丁寧。非常に好青年の印象がありますが、武骨で一度決めたらとことん突き進む性格でもあるんです」(前出・ボクシングライター)

 

 中谷と格闘技の出会いは小3のとき。両親が礼儀作法を学ばせるため、極真空手を始めたという。いまでこそ身長171センチとバンタム級としては長身だが、幼いころは小柄で極真空手では連戦連敗だった。そんなとき、体重別があるボクシングに興味を持ち、中学1年で世界挑戦3度の石井広三氏が会長を務めるKOZOジムに入門した。

 

「石井会長は中谷の素質を買っていて、2人は『絶対に世界チャンピオンになる』を合言葉に切磋琢磨してきました。中谷は世界チャンピオンになるための道筋には、ボクシングの本場であるアメリカで学ぶ必要があると、中卒でアメリカに渡ったのです。

 

 ところが一緒に行くはずだった石井会長が34歳の若さで急死。それでも石井会長との『世界チャンピオンに』の約束を果たすべく、15歳の若さで単身、海を渡ったのです。これだけでも、いかに意志が強いかがわかってもらえると思います」(同)

 

 では、どちらが勝つと予想するのか。

 

「スパーリングをやったことのある選手や元世界チャンピオンに話を聞くと、『スピード、パンチ力ともに井上が上』という声が多いですね。ただ、中谷のパンチ力も相当なものだし、身長も中谷が7cmも高い。体格差を生かして、活路を見出したいところですね」

 

 9月18日、サウジアラビアの総合娯楽庁が、12月27日に開催されるスポーツイベント「リヤド・シーズン」のカードを発表。

 

 メインは井上対WBC同級1位アラン・ピカソ(メキシコ)だが、その前に井上の元スパーリング相手でWBC同級8位のセバスチャン・ヘルナンデス(メキシコ)と激突する。来年5月に予定される “最強決定戦” を前に、同じ日、同じ会場で2人が初共演することとなった。

 

 戦績は中谷が31戦全勝(24KO)、井上が31戦全勝(27KO)。結果はいかに──。

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