
ヤクルトの村上宗隆
まもなくクライマックスシリーズ(CS)、そしてオフを迎えるこの時期、日本選手のMLB移籍を目指す声が徐々に聞こえ始めた。
西武で2年連続開幕投手を務めた今井達也投手が、10月5日以降に球団と会談を持ち、ポスティングによるMLB移籍を直訴するという。また、チームメイトの高橋光成投手も同様で、西武は投手陣の主軸2人を一気に失う可能性も出てきた。
「ほかにも、阪神の才木浩人投手、ヤクルトの村上宗隆内野手が直訴しています。また、意思表示はしていないとはいえ、巨人の岡本和真内野手、中日の高橋宏斗投手、オリックスの宮城大弥投手らが続くと見られていますね。
このように、今オフはNPBからMLBへと活躍の場を移す日本人選手が大量に出てくる可能性が高いですが、そのなかで最も注目されているのが村上であることは間違いない」(スポーツ紙記者)
今季の村上は、上半身のコンディション不良で出遅れたが、7月末に復帰すると驚異的なペースで本塁打を量産。9月27日の広島戦では、わずか50試合で20号の大台に到達してしまった。7年連続20本塁打は、アレックス・ラミレス氏に並ぶ球団タイ記録である。
あらためてNPB最高の “長距離砲” であることを証明したかたちだが、実際、ドジャース、ヤンキース、レッドソックス、メッツ、マリナーズなど名門球団から熱視線が送られているという。
「2022年に最年少で三冠王を獲得して以来、アメリカでの注目度はかなり高くなってきました。ただ、最近は成績がふるわず、今季の注目度は以前に比べてかなり落ちていたんです。
ところが、復帰後の驚異的な本塁打量産で、評価がふたたび上がっています。村上はまだ25歳と若いこともあって、契約年数は5年から7年、年俸も20億円から30億円と言われています」(現地記者)
では、村上の意中の球団は?
「多くの日本人の希望的観測はドジャースでしたし、村上にもド軍にはいい印象があったといいます。ただ、2023年のWBC東京ラウンドがすべてを変えたんです。大谷翔平が試合前のバッティング練習に入ると、多くの選手が『スゲ~』と声を揃え、その表情は完全にファンのものでした。
でも、村上だけは違っていました。自身も飛距離には自信があったのでしょうが、大谷のそれは桁違い。それを見て、村上は大谷のファンになるどころか、実力差に落ち込んでいました。
その後のWBCでのスランプと、2023年シーズンの打撃3部門の成績低下は、そのときのショックを引きずっているのでは、とさえ言われるほどでした。
そうしたことから、村上はド軍を選ばないのではないか。なぜなら、大谷がすぐそばにいれば、また力んでしまうから、というのが現地の見方です。現在、ド軍に変わって有力視されているのが、ド軍のライバルでもあるヤンキースです」(前出・現地記者)
9月27日(日本時間28日)、ヤンキースOBである松井秀喜氏がニューヨークで野球教室を開催。集まった記者に対し、球団は違えど、現役時代に長く背負った背番号「55」を着用する村上に対して、「ヤンキースだったら素晴らしいことだと思うが、彼が一番フィットするチームに行けるのがいい」と、エールを贈った。
はたして、“稀代のホームランアーティスト” はどんな答えを出すのだろうか。