
日本時間10月18日、2年連続リーグ優勝し、ウィル・スミスと抱き合うドジャース・佐々木朗希(写真:AP/アフロ)
ア・リーグ優勝決定戦シリーズが10月20日(日本時間21日)にトロントでおこなわれ、トロント・ブルージェイズがシアトル・マリナーズに4-3で逆転勝ちし、32年ぶり3度めとなるワールドシリーズ(WS)進出を決めた。
ロサンゼルス・ドジャースとのWSは、10月24日(同25日)にトロントで幕を開ける。
先に勝ち上がり、21世紀初のWS連覇を狙うド軍は、10月19日(同20日)から全体練習を再開して調整に余念がない。と同時に、フロントはすでに来季に向けて動き出しているという。
「WC連覇はもちろんのこと、さらに勝ち続けるために補強を画策しています。まず着手するのが外野。ド軍は各ポジションにスター選手を揃えていますが、レフトだけが埋まらなかった。今季はジャイアンツからマイケル・コンフォートを獲得しましたが、打率は.199、12本塁打、36打点と、年俸25億5000万円に見合う活躍はできませんでした。
そこで目をつけたのが、シカゴ・カブスからFAとなるカイル・タッカーです。広角に打ち分けることができパワーもある。しかも守備もよくて肩も強いんです。まだ28歳ということで、獲得のためには総額3億ドル(約450億円)から4億ドル(約600億円)の攻防と言われています。
勝負強い打撃に定評があるマックス・マンシー三塁手ですが、契約が今季で満了します。球団は1年1000万ドル(約15億円)のオプションを行使するとみられていますが、来夏で36歳になることを考えると、今オフは、後釜になり得る選手の確保に動く可能性があると、盛んに報じられています。
そこでよく名前が出てくるのが、ヤクルトからポスティング移籍すると言われている村上宗隆内野手です。長打力があるうえ、マンシーと同じ三塁が主戦場なので、補強の面から言えばピッタリです。
村上はMLBでは未知数ですが、25歳と若いため、総額2億ドル(約300億円)から交渉が始まるのではないでしょうか。タッカーと村上を同時に獲得するとなると巨額の資金が必要ですが、ド軍なら問題はないでしょう」(現地記者)
しかし、補強の噂はこれだけではないという。ここに来て「“超ド級” の噂が囁かれている」と現地記者が続ける。
「それがデトロイト・タイガースのタリク・スクバル投手です。2024年に18勝4敗と、打者を圧倒する力を見せつけ、サイ・ヤング賞を獲得しました。今年も13勝6敗、防御率2.21で連続受賞の可能性もあります。
まさに “現役最強左腕” の名を欲しいままにしているわけですが、2026年にはFAとなるにもかかわらず、いまだタ軍は契約延長にこぎつけていません。このままならタ軍所属はあと1年で、2026年オフにはFAで出てしまうことが確実です。
なぜなら、FAとなれば総額4億ドル(約600億円)以上の契約が確実視されており、この額ならタ軍が払うには無理があるからです。それならば、若く有望な選手とトレードしたほうがいい、ということになりそうなんです。
その相手がド軍と言われています。もし候補にあがっている選手をすべて獲得できれば、まさに黄金期に突入することになるでしょう」
一方で、こんな意見もある。現地記者が「ファン離れ」につながる “落とし穴” を危惧する。
「これまでド軍には、クリーンなイメージがありました。ただ最近は、戦力アップに対して、育成よりも他球団からのトレードやFAでのスター選手の補強が多くなり、『やりすぎだ!』といった声が出始めているのです。
クリーンなイメージが少し薄れ始めているなか、今季も大物獲りを繰り返すようなら、ファン離れにつながる可能性もあります」
かつてヤンキースは、あまりに強く、豊富な資金力にものを言わせて他球団の主力を次々と獲得した時代があった。そのときMLBファンは口を揃えてこう言った。
「くたばれヤンキース!」
ド軍がそうならなければいいのだが……。