サッカー日本代表の森保一監督
11月17日、キリンチャレンジカップで日本代表を指揮する森保一監督は、試合会場となる東京・国立競技場で前日会見に臨んだ。今回のボリビア戦は、森保監督にとっては、代表の指揮を執り始めてから100試合めとなる節目の試合でもある。日本代表史上初となる快挙に、質問は多岐にわたっておこなわれた。
そのなかでもっとも注目されたのが、今夏にプレミアリーグの名門・アーセナルを退団したDF冨安健洋の今後についてのことだった。冨安は右膝を負傷して長期離脱中で、現在は無所属の状態が続いている。冨安について「2026年のW杯北中米大会に間に合うか」を聞かれた森保監督は、「シンプルに答えると、彼は間に合うと思っている」と前向きな回答を述べた。さらに、「彼のコンディションさえよければ、北中米W杯で日本代表が優勝を目指してチャレンジをする戦力の候補だと思っている」と、“指揮官”はいまも変わらぬ信頼を口にした。
この発言にはXでも
《絶対絶対帰ってきて! 代表に冨安くんは必要です!》
《本当は久保くん以上の逸材。待ってる。》
《このコメントは彼にとってこれ以上ない後押し。ということは、移籍先ももう水面下でメドが立ってるんじゃないか》
と、大反響。復帰を歓迎するコメントが多数、投稿された。
2024年6月を最後に代表戦には選出されていない冨安。すべてはたび重なる怪我のせいだった。
「右膝は、復帰してはまた痛める悪循環で、手術を2度、経験しました。アーセナルではセンターバックでもサイドバックでもハイパフォーマンスを見せ、プレミアリーグでも高い評価を受けていただけに、つらいものがあります」(サッカーライター)
冨安の長期離脱は、日本代表のDFラインにも多大な影響を及ぼした。さらに、冨安以外にも、高井幸大(こうた)、伊藤洋輝、町田浩樹らがそろって怪我で長期離脱したことで、日本代表のDFラインは“野戦病院”と化していたのだ。
「この状況に、森保監督は大きな危機感を持つと思われていました。何しろ代表は4バックと3バックを併用する考えで、とくに3バックのときは、彼らのようにセンターバックタイプのDFがいなければ成り立たない戦術だからです。
ところが、いちばん危機感を持ったのは森保監督だけでなく、これまで控えに、あるいは代表に呼ばれなかったセンターバックの選手たちです。レギュラー選手の離脱が続くなか、渡辺剛、鈴木淳之介ら“控え選手”が所属チームでの活躍同様、代表でもすばらしいプレーを見せてくれました。また、アキレス腱断裂の大怪我から谷口彰悟が復帰し、相変わらずのリーダーシップを発揮していることも心強い。これまで試合に出られなかった彼らが、自覚と責任を持ってプレーしたことで、センターバックのレベルが一気に上がったと思います。これに冨安や伊藤が復帰となると、DFラインは代表でもっとも厳しいポジション争いが繰り広げられることは間違いありません。同時にそれは、彼らのさらなるスキルアップにもつながっていきます」(同前)
冨安の怪我が招いた選手間の危機感と競争。まさに“怪我の功名”である。
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







