両国国技館
1月11日に初日を迎え、4日目にして早くも豊昇龍、大の里の両横綱、琴櫻、安青錦の両大関に土がつくという波乱の展開になっている、大相撲初場所(東京・両国国技館)。
大相撲人気は年々、盛り上がりを見せ、今場所も15日間の前売り券は完売。連日、満員御礼になっている。
その人気ぶりを反映して、今場所の懸賞申し込みは、場所前の時点で128社・3469本。これは「過去最多」(相撲協会)だという。
懸賞は1本7万円。1場所で15本(15日間・1日1本)以上を申し込むことが条件になっている。総額で105万円(いずれも税込み)だ。ちなみに今場所、もっとも多く申し込みをしているのは、2000年5月場所から懸賞を出している「永谷園」で260本。ここ数場所は、同数の懸賞を出しているという。
長く大相撲中継を担当してきた元NHKアナウンサーで、現在はフリーの藤井康生さんは、懸賞についてこう話す。
「お金の懸賞は、1960年に一口1万円で始まり、1982年に4万円、1991年の若乃花・貴乃花ブームで6万円、2019年の令和元年に7万円になった経緯があります。
7万円のうち、場内放送料や取組表への企業名掲載費用として1万円が協会に納められ、残りのうち3万円が力士の確定申告用に、あらかじめ協会がプールします。
最近は、注目の一番では50本の懸賞がつくこともあります。地方場所などで、多額の金銭を宿舎に持ち帰ることは危険ということもあり、土俵上で力士に渡される“のし袋”に入っているのは1万円で、残りの2万円は銀行振込となっています」
その懸賞の多さを実感できるのが、力士が仕切りを重ねる間に、呼び出しが土俵上を回りながら掲げる「懸賞旗」だ。
「懸賞は企業での申し込みとなり、個人名ではできません。また、懸賞旗は申し込んだ企業が制作して、持ち込んでいただきます。
土俵の上に掲げるため、デザインに一定の制限があり、企業の社長個人の顔写真や『がんばれ大の里』など、応援する力士のしこ名を書くこともできません」(相撲協会担当者)
藤井さんは「どれだけ(費用対効果が)あるかわかりませんが、国技館に来てくださった1万人弱のお客様への(企業)印象は強くなると思います」と効果を語り、NHKで中継する際の“工夫”も教えてくれた。
「NHKは公共放送として、企業名が書かれた懸賞旗をそのまま映すことができません。そのため、懸賞旗が回り始めると、映像を土俵上から引いて『対戦成績』などを紹介します。
また、場内アナウンスをする行司が企業名を読み上げている間も、その音声を拾わないように、場内マイクを絞ったりしています」
懸賞は、一つの取り組みで60本が上限。これ以上になると、仕切り中に企業名を読み上げられなくなる可能性があるからだという。
藤井さんも「決まりとしては、1回めの仕切りで力士は立ってもいいのですが、それだと企業名が読み終えなくなりますね」と苦笑する。
こうしたなか、初日(1月11日)に組まれた大関・琴櫻と前頭筆頭・義ノ富士の一番で、ドラマ『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』(テレビ朝日系)の懸賞旗が土俵を回り、話題になっている。
「主演の女優、松嶋菜々子さんと、主題歌を歌う斉藤和義さんが印刷された、2つの懸賞旗が回りました。2人の姿に加えて、ドラマタイトルと『毎週木曜よる9時~ テレビ朝日系にて放送中』などの文字もあり、宣伝効果は高かったのではないでしょうか」(芸能担当記者)
相撲協会の担当者は「過去にも、映画の公開やDVD発売で懸賞旗を掲出したことはあります。今回もデザインなどで(テレビ朝日と)ご相談はさせていただきましたが、とくに問題になることはありませんでした」と語る。
テレビ朝日の宣伝部にこの“変わり種”懸賞旗の狙いを聞いた。
「近年の大相撲の盛り上がりと、視聴ターゲットとの親和性を考え、ぜひ一度、挑戦してみたいと考えさせていただきました。
懸賞旗で十分に番組の魅力をお伝えすることができ、国技館でご覧のみなさま、中継でご覧のみなさまに『何だろう』とご興味を持っていただけるのではと考えました」
また、費用対効果の期待については「具体的な試算ではないですが、掲出当日に(ニュース記事の)Yahoo!トップへの掲載があり、NHKでの放送やABEMAの配信の露出で、期待できると考えております」としている。
大相撲人気の盛り上がりとともに、世間をにぎわわせるような懸賞旗は、さらに増えてくるかもしれない。
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