ダルビッシュ有
2026年シーズンは、前年の11月に右肘の内側側副靱帯(UCL)補強手術を受けたことで全休することとなったサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手。
しかし、グラウンドを離れても話題を提供するあたりがスターたるゆえんか。きっかけとなったのは1月24日(日本時間25日)、パドレスの地元紙『サンディエゴ・ユニオン・トリュビューン』の報道だ。同紙によると、ダルビッシュは2028年まで残っている契約を破棄して、現役を引退する意向を固めたというのだ。彼は今後3年間で4300万ドル(約65億円)の契約が残っているが、それを破棄して引退するという内容だった。
この報道を受けて、ダルビッシュ本人は自身のSNSに《契約を無効にする方向に傾いていますが、パドレスと話し合わなければならないことがまだたくさんあり、詳細はまだ決まっていません。私はまだ引退を発表しません》(原文は英語)と “意味深” なコメントを投稿した。
「それからわずか4日後の1月28日、今度は日本の野球ファンにとってはうれしいニュースが舞い込んできました。WBC直前の宮崎合宿で侍ジャパンのアドバイザー役を務めることが分かったのです。現時点ではいつからの参加になるかはわかりませんが、選手たちにとってはこの上ない朗報です。
彼の指導内容は前回の2023年WBCで実証済みで、豊富な経験に基づく知識はベテラン投手コーチでも遠く及びません。前回の宮崎合宿での練習後には彼の周りに投手陣が集まり、“ダルビッシュ教室”が何度も開かれていました」(スポーツ紙記者)
一方、アメリカではダルビッシュの“選択肢”をめぐり議論が巻き起こっているという。
「まだはっきりとした答えは報じられていませんが、残り3年の契約を辞退し、年俸も破棄することになるのではないか、と報じるメディアがこちらでは多いです。その理由はダルビッシュ特有の、『何もできないときに年俸をもらうのはいけないこと』という考え方があるようです。
2024年シーズン、彼は右肘の炎症から5月29日を最後に投げることができなくなりました。しかも7月には『家族に関する個人的な事情』で自らメジャー40人枠を外れ、制限リストに登録されました。気の毒に思った首脳陣は、当初『60日間の故障者リスト(IL)に入ってはどうか』と勧めたんです。そうすれば年俸も支払われますから。
ところが、ダルビッシュは『いや、それはしたくありません。復帰へのリハビリをしていない状況でお金はもらいたくありません』と断りました。そのため年俸1500万ドル(約21億6000万円)のうち約400万ドル(約5億8000万円)を手にしなかったといいます。
今回も同じようなことをするのではと言われていますが、その理由は自身のリハビリ具合とともに、チームの運営状況があります。ハッキリ言ってパ軍の球団運営は思わしくありません。2025年の12月あたりから何度も身売り説が報じられていて、チームの顔であるフェルナンド・タティースJr.でさえ放出の噂があるくらいですからね。
そんなとき、リハビリしかできないダルビッシュはせめて契約を破棄して、運営を少しでも手助けしたい、と考えているようです」(現地記者)
この決断を日本では「男気」や「美談」として報じられているが、アメリカでは違う。
「長期大型契約を結んだ選手がそれに見合わない成績を残した場合、ファンは怒るし、大バッシングを浴びせます。ただ、ダルビッシュの場合は怪我ですからね。
しかも、彼がパ軍と再契約したのは2023年で、このとき36歳。提示された条件は6年総額1億800万ドル(当時のレートで約142億円)で、契約満了時の彼は42歳です。それだけのベテランにこれ以上ない好条件を提示したのは、それまでのチームに対する貢献を評価してこそ。彼の働きはチームもファンも認めている。これは自身が勝ち取った評価であり、権利なんです。
にもかかわらず、もし放棄してしまえば悪しき前例になるでしょう。こうした場面において日本人特有の“謙虚さ”は決して評価されるものではありません。むしろただの“裏切者”扱いされてしまうのです」(前出記者)
リハビリを続け、2027年に復帰する姿をチームもパ軍ファンも、そして日本のファンも待っているに違いない。
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