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W杯代表メンバー発表直前・ザッケローニ元日本代表監督が独占激白「私なら、チームのために闘志を持って戦う男、長友佑都を選ぶ!」

スポーツ 記事投稿日:2026.05.15 06:00 最終更新日:2026.05.15 06:00

W杯代表メンバー発表直前・ザッケローニ元日本代表監督が独占激白「私なら、チームのために闘志を持って戦う男、長友佑都を選ぶ!」

イタリアで本誌の独占インタビューに応じるザッケローニ氏(写真・栗原正夫)

 

森保一(はじめ)監督は、本当に素晴らしい仕事をしている。前回のW杯ではドイツとスペインを下し、2025年10月にはブラジルに勝ち、2026年3月にはウェンブリーでイングランドを下した。縦に速い前向きのサッカーで、どんな強豪にも勝てるチームになっている。W杯では、どこまで勝ち上がっても不思議ではない。もし私が他国の監督だったら、日本とは対戦したくないね」

 

 森保ジャパンをそう評価し、6月11日に開幕する北中米W杯での“ダークホースの一角”に挙げるのは、元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏(73)だ。2014年ブラジルW杯後も、母国イタリア以上に日本代表の動向を追い続けているといい、4月上旬、自身が生まれ育ったイタリア北東部の港町・チェゼナティコで本誌の単独取材に応じた。

 

 前回2022年カタールW杯では、FIFA(国際サッカー連盟)の技術研究グループの一員として大会を視察したザッケローニ氏は、日本代表の独自性を強調し、「もっと自信を持つべきだ」と語った。

 

「日本のように、選手全員が犠牲心を持って戦えるチームは、世界でも珍しい。戦術的には3バックが基本だが、5バックにも4バックにも対応できる柔軟性がある。GK・鈴木彩艶(ざいおん)の存在を含め、私が監督をしていた当時と比べ、守備面での成長を感じる。

 

 2014年ブラジルW杯のころも、本田圭佑や長友佑都ら、欧州でプレーする選手はいたが、いまはその数も質もまったく違う。左サイドでは三笘(みとま)薫と中村敬斗(けいと)、右サイドでは伊東純也と堂安律がみごとな連携を見せ、どのポジションにも技術力と運動量を兼ね備えた選手がそろっている。ボールをしっかり保持できれば、日本のよさは、さらに発揮される」(以下、断わりのない「 」はザッケローニ氏)

 

■日本代表の生命線は「個ではなく組織」

 

 森保監督は、「目標は優勝」と公に口にしている。

 

「日本がフランスやスペイン、アルゼンチン、ブラジルと並ぶ本命かといえば、そうではない。ただ、日本にもその可能性はある。過去にW杯を4度、制したイタリアが、(2026年北中米W杯を含め)直近3大会すべてで予選敗退していることを考えても、時代は変わった。ただ、 『勝つぞ』 と口にすることと、本当に勝つことは違うし、私なら『W杯で優勝を狙う』とは絶対に言わない。選手に過度なプレッシャーをかけるのはよくない。大事なのは、やるべきことを追求すること。選手は勝つために、どんなプレーが必要か理解しているはずだ」

 

 グループリーグではオランダ、チュニジア、スウェーデンと対戦する。

 

「まずは初戦のオランダ戦が大事だが、恐れることはない。彼らはサッカーの歴史を築いてきた国ではあるが、必要以上のリスペクトは不要だ。どんな展開になっても、自分たちのサッカーを続けることが大切だ。アメリカ、カナダ、メキシコという広大な土地を持つ3カ国の共催のため、移動や気候、時差など環境面への対応を心配する声もあるが、経験のある選手であれば大きな影響はないだろう」

 

 5月15日には、W杯に臨む26人のメンバーが発表される。

 

「重要なのは、個人ではなく組織だ。チームとしてどんな雰囲気で、どんなモチベーションで臨むかがポイントになる。(ザック・ジャパンでもプレーし、5大会連続でのメンバー入りを狙っている大ベテランの長友について)私なら、間違いなくメンバーに入れる。日本はすでにW杯を戦う力を持っている。あとは、その力を本番でいかに発揮できるかだ。そのためにピッチ内だけでなく、ピッチ外でも存在感を発揮できる長友は不可欠といえる。チームのために、つねに闘志を持って全力で戦う、それが長友なんだ。2014年ブラジルW杯の主将で、現在は代表コーチを務める長谷部誠の存在も重要になる。いわば “先生役” として、チームにいい影響を与えるだろう」

 

 ザッケローニ氏は、日本代表の生命線は「個ではなく組織」という考えを繰り返し、個々の選手の評価は多くを語らなかった。そこで、大会を勝ち抜くカギとなる“個”については、当時テクニカルアシスタントとして同氏を支えたジャンパオロ・コラウッティ氏にも話を聞いた。3月31日のイングランド戦を、現地でともに観戦したコラウッティ氏は、日本代表の可能性について「ベスト8はもちろん、それ以上も狙える力がある」と語り、こう続けた。

 

「ザックの言うとおり、日本にとって重要なのは個ではなく組織だ。3月の英国遠征を振り返っても、南野拓実、久保建英(たけふさ)、遠藤航(わたる)といった主力を欠いていたが、彼らの不在を感じなかった人も多いのではないか」

 

 そのうえで、カギを握る存在として名前を挙げたのが、GKの鈴木だ。

 

「イングランド戦でも、いくつかのピンチで好セーブを見せた。彼はいま、イタリアのパルマでプレーしているが、(190cm、100kgという)恵まれた体格に加えて、技術や判断力も世界レベルにある。とくにセットプレーなどにおいて、日本はこれまで高さの面で課題を抱えていたが、空中戦に強い鈴木の存在によって守備は安定した。彼の台頭は、チームにとって非常に大きい」(コラウッティ氏)

 

■自宅で転倒し、一時は意識不明に近い状態に

 

 ザッケローニ氏が率いた2014年ブラジルW杯も、本田や長友のほか、香川真司や岡崎慎司らを擁し、史上最強と評され優勝を口にする選手もいたが、結果は1分け2敗でグループリーグ敗退に終わった。

 

「日本で過ごした4年間は、私にとって信じられないほど素晴らしい時間だった。多くの人が “ザック・ジャパン” を愛してくれた。当時も、世界ランク上位のベルギーやフランスに勝利し、力がなかったわけではない。むしろ非常に優れたチームで、私は最低でも準決勝に行けると思っていた。メンバー選考などに悔いはない。

 

 ただ、チームは少し臆病で、まだW杯で勝てるメンタルにはなっていなかった。私はそこを少し見誤ってしまったのかもしれない。だから、あのW杯だけは、かなうならもう一度、やり直したいと思うことがあるんだ」

 

 現在、ザッケローニ氏は第一線から退き、生まれ故郷でのんびりと過ごしている。だが、2023年2月に自宅の階段で転倒し、頭部を強打。病院に救急搬送され、一時は意識不明に近い状態だったと打ち明けた。脳に大きな損傷がなかったことが、不幸中の幸いだった。

 

「階段で足を滑らせ、8~10段を転げ落ちた。妻の話によると、倒れたとき私は出血がひどく、血の海のなかにいたようだ。集中治療室にいた1カ月間のことは何も覚えていない。危うく命を落としていたかもしれなかったが、ギリギリのところで救われたんだ」

 

 死の淵をさまよったザッケローニ氏だが、いまは毎日リハビリに励みながら、穏やかな日常を取り戻している。

 

「最近は、サッカーからは少し距離を置いている。家族と一緒に暮らし、レストランで友人たちと話をしたり、ゆっくりとした時間を楽しんでいるよ。森保ジャパンには、けっして臆することなくW杯に臨んでほしい。そうすれば、必ずやいい結果がついてくるはずだ」

 

取材&文・栗原正夫

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出典元: 週刊FLASH 2026年5月26日号

著者: 『FLASH』編集部

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