
阿部慎之助前監督
長女への暴行容疑で現行犯逮捕され、その後、読売巨人軍の監督職を辞した阿部慎之助氏は、6月9日、書類送検された。
「5月25日に、阿部さんが2人の娘の姉妹げんかを注意したところ、長女に言い返され、阿部さんが暴力をふるったとして現行犯逮捕。逮捕のきっかけは、長女がAIサービス『Chat GPT』に相談し、児童相談所に連絡したことです。その後、児相の通報により、警察が動くことになったとのことです。翌日、球団側が監督辞任を発表し、阿部さんは会見で涙ながらに謝罪することとなりました」(スポーツ紙記者)
阿部氏をめぐる報道が波紋を広げているなか、報道関係者の間で注目を集めているのが、『週刊文春』が報じた児童相談所の対応に関する記事だ。
「その記事では、児童相談所の内部メモとされる資料を公開していました。これを受け、阿部氏の代理人を務める田代政弘弁護士は報道各社に対し、『報道に関するお願い』と題した文書を送付した。文書では、阿部氏の自宅周辺で複数の報道機関による取材活動が続いていることに触れたうえで、『家族が心身ともに著しく疲労している』と説明し、過度な取材を控えるよう求めました。著名人の代理人弁護士が取材自粛を呼びかけること自体は珍しくありません」(大手紙の社会部記者)
しかし、法曹界がざわついたのは、阿部氏の代理人が田代弁護士だったからだという。
「田代弁護士は、ダウンタウンの松本人志氏が週刊文春を発行する文藝春秋を相手に起こした名誉毀損訴訟で、松本さんの代理人を務めたことで知られます。最終的に松本さんは訴訟を取り下げ、裁判は決着を見ることなく幕を閉じました。もし今後、阿部氏と文春側の対立が法廷闘争に発展した場合、田代弁護士が引き続き代理人を務める可能性は高いですね」(同前)
法曹関係者が関心を寄せているのが、文藝春秋側の代理人として松本氏の訴訟で代理人弁護士を務めた喜田村洋一弁護士が再び登場するかどうかだ。なぜなら、この二人には忘れがたい“因縁”があるからである。
田代弁護士は、もともと検察官出身のいわゆる“ヤメ検”だ。その名が全国的に知られることになったのが、小沢一郎元民主党代表をめぐる陸山会事件だった。
「当時、政治資金規正法違反事件の再捜査を担当していた田代検事(当時)は、会計責任者だった石川知裕元衆院議員の聴取の内容をまとめた捜査報告書を作成。しかし、後に、その報告書の内容と実際の聴取内容との間に大きな食い違いがあったことが明らかになりました。聴取を受けた石川元議員が密かに録音していたICレコーダーの内容から判明しました」(法曹関係者)
録音内容と捜査報告書を照合した結果、報告書に記載された内容に重大な問題があるとして大きな騒動に発展したのである。裁判で証人尋問を受けることになった田代弁護士(当時は検事)を厳しく追及した人物こそ、当時の小沢氏側代理人だった喜田村弁護士だった。
結果として、2012年に小沢元代表は無罪判決を受け、田代氏は後に懲戒処分を受けて検察を去ることになった。
現在、阿部氏は報じられている暴力行為について否定している。一方、週刊文春が今後も続報を投入するのか、あるいは阿部氏側が名誉毀損訴訟という手段に打って出るのかは、なお不透明だ。しかし、もし法廷闘争へと発展し、阿部氏側に田代弁護士、文春側に喜田村弁護士という構図になれば――。かつて陸山会事件の法廷で火花を散らした二人が、松本氏の事件に続き、再び法廷で対峙することになる。法曹界が密かに注目するのは、まさにその一点なのである。
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