チュニジアのルナール新監督(写真・AP/アフロ)
6月14日(日本時間15日)、北中米W杯F組の第1戦。スウェーデン対チュニジアは、大方の予想を裏切ってスウェーデンが5-1と圧勝した。チュニジアはアフリカ予選H組で9勝1分0敗、失点0と、鉄壁の守備力を誇っていたからだ。
一方、スウェーデンは、欧州の本予選で勝ち上がることができず、プレーオフでウクライナ、ポーランドを何とか退けて本大会進出を決めていた。ところが、終わってみれば大差。チュニジアは6月20日(同21日)の日本戦に向け、荒療治に打って出た。
「グループリーグの1試合めで大敗すると、2戦めではスタメンを大幅に変えたり、本来はめったなことでは代えないGKを代えてみたりと、刺激を与えることはあります。ところが、チュニジアが下した決断は監督交代。
準備時間がないことを考えればコーチの昇格が妥当ですが、あえて新監督の就任にこだわったのは、チュニジアは1998年フランス大会でポーランド人指揮官のアンリ・カスペルチャク氏を2試合終えた時点で切った経験があるからでしょう。
大会中の監督交代は異例のことですが、チュニジアには、そこを乗り切るノウハウがあるのかもしれません」(サッカーライター)
新たに就任したのは、フランス国籍の57歳、エルベ・ルナール氏だ。これまでザンビア、コートジボワール、モロッコ、そしてサウジアラビアと、アフリカやアジアの代表チームを率いてきた。とくにザンビアとサウジアラビアをアフリカ王者に導いた手腕は高く評価されてきた。
名前を知らしめたのは、2022年カタールW杯でのことだった。グループCの初戦で、それまで36戦無敗を維持してきたメッシ率いるアルゼンチンを2-1で撃破したことだった。この大会でアルゼンチンは3回めのW杯制覇を成し遂げたが、唯一、負けた相手がルナール監督率いるサウジアラビアだった。
「日本にとって厄介なのは、2026年2月までサウジアラビア代表監督で、北中米W杯アジア最終予選も日本と2試合戦っていることです。ホーム、アウェーともに日本が勝ちましたが、日本の長所も短所も知っていますし、聞くところによると日本選手の名前もだいぶ覚えているようです。
実際、監督就任時の会見では、『日本のこと? よく知っているよ』と余裕の笑みを浮かべていましたからね。日本にとっては、ありがたくない人が監督に就任してしまったということでしょう」(前出のライター)
試合で指揮するときは、決まって白いシャツを着て、2番めのボタンも外す。“イケオジ” としても有名で、日本での人気も高いという。
チュニジアサッカー界が決断した“劇薬”の投入は、日本にとって吉と出るか、凶と出るか。
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