新体操団体の日本代表は、全国から選ばれた選手が寮生活で練習し、絆を深めていく。2006年にこの制度が始まったときの一人が、高校2年生の坪井保菜美だった。
「3LDKの部屋に3人一組の寮生活。通信制高校に転入し、朝から晩まで8時間の練習で、ついていくのに必死。炊事洗濯も初めてで、毎日ホームシック。ある夜、背中がかゆくて眠れず、顔が真っ赤。全身に蕁麻疹が出ていました」
練習が実を結び、北京五輪に出場。
「五輪では体が勝手に動くような感覚があり、踊ることが楽しいとさえ感じました。ところが演技終盤、チームにミスが起こってしまい……。
団体の難しさをあらためて知りました。終了後は、フロアが真っ黒な穴に見えました。あの悔しさが翌年、世界選手権の4位入賞につながったと思います」
現在は、子供に新体操を教えるほか、ヨガのインストラクターもしている。
つぼいほなみ
1989年4月5日生まれ 5歳から新体操を始め、2008年北京五輪に出場(団体)。引退後はヨガインストラクターの資格を取得。「タレントの仕事にも興味があります」
(週刊FLASH 2018年5月8・15日合併号)