
不振にあえぐ大谷翔平
ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS、4戦先勝)は第2戦を終え、ブルワーズが2勝。ワールドシリーズ3連覇を目指すドジャースは、厳しい状況に追い込まれている。そのブルワーズの指揮官が、パット・マーフィー監督だ。
「マーフィーはニューヨーク州出身の67歳。2024年からブルワーズの監督をつとめ、同年から2年連続でリーグ最優秀監督賞を受賞している名将です。今季はMLB最高の103勝を挙げ、MLB史上初となる3年連続の受賞が有力視されています。熱血漢である一方、人情味やユーモアにあふれ、メディアやファンから絶大な支持を集めています」(スポーツライター)
NLCS開幕前日におこなわれた記者会見では、こんな一幕も。
「マーフィーの会見では、初めて参加する記者に自己紹介を求めるのが恒例となっています。この日は日本のメディアだという記者に『今年、日本のプロ野球はどうだった。楽天は?』と質問。そして『日本の記者たち、俺に日本のプロ野球の仕事をくれないか?』と話しかけ、会場は大爆笑になりました」(同前)
こうして初対面でも瞬時に人の心を掴んでしまうのが、マーフィー流だという。
「NHKの取材で田口壮さんがインタビューしたときも、いつか日本で監督をするのが夢だと語っており、あながち冗談でもなさそうです。息子さんたちはイチローさんや大谷翔平選手の大ファンだそうですよ」(同前)
イチローの大ファンだという息子カイ・マーフィーは現在、パドレス傘下のマイナーチームに外野手として所属している。
ユニークなエピソードには事欠かないマーフィー監督だが、もっとも有名なのは「パンケーキ事件」だろう。2025年8月、試合中のインタビューの最中に、ポケットからパンケーキを取り出し食べ始めた姿が全国中継され、大きな話題となったのだ。ブルワーズの本拠地ではこれに便乗、「マーフ(マーフィーの愛称)のポケットパンケーキ」を売店で販売するようになった。もちろんユーモアだけではない。指導者としての経歴、実績は申し分ない。
「マーフィーは1982年にジャイアンツとプロ契約。その後パドレスなど複数のチームのマイナーリーグでプレーしましたが、メジャーでのプレー経験はありません。
その後、大学の野球部の監督となり、25年間で数々の記録を達成。大学野球におけるレジェンドと称される存在です。教え子でメジャーリーガーになったのは100人以上。そのなかには、元レッドソックスで2008年にMVPを獲得したダスティン・ペドロイアや、元ドジャースの外野手、アンドレ・イーシアなどがいます」(同前)
2010年からパドレスに所属。マイナーで監督をつとめ、2015年途中からはパドレスで暫定監督をつとめた。そして2016年には、教え子でブルワーズの監督をつとめていたクレイグ・カウンセルに請われブルワーズ入り。ベンチコーチをつとめた。
「2023年シーズン後、カウンセルはカブスの監督になり、マーフィーが監督に昇格しました。その際、球団にマーフィーを強く推したのが、ブルワーズの中心選手であるイエリッチでした。いかに選手たちに慕われ、信頼を得ているかの証でしょう。
選手には常に全力疾走を求め、怠慢なプレーをすればスター選手でも容赦なく交代させます。ドジャースのようなスター揃いではありませんが、選手に自分の役割を理解させ、能力を最大限に引き出すことで、ブルワーズはMLB最強チームになりました」(同前)
イチローは2025年、野球殿堂入りのスピーチでこう語っている。
「いまのMLBは、頭を使う、考える野球が戻りつつあると思う。直近ではブルワーズがそんな野球をしていました。いま一番強いチームです」
2026年開幕時の年俸総額では、ドジャースは約3億3900万ドルでMLB2位。ブルワーズは約1億4600万ドルで19位だった。
マーフィー流“考える野球”が、チームを初めてのワールドシリーズ制覇に導こうとしている。
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