
卓球女子日本代表の伊藤美誠(写真・アフロ)
10月17日、東京五輪の卓球混合ダブルス金メダリストの伊藤美誠(みま)が2026年度後期女子ナショナルチームから外れたことが明らかになった。伊藤は「テレ東卓球NEWS」の取材に対し、「今後のことを考えながら日々を過ごす中で、日本代表を離れてまっさらな状態で考えられる環境に身を置きたいと考えるようになりました。卓球だけでなく一人の人間として自分自身を見直す時間にしたく、これからの人生を幅広く考えたりチャレンジしたい想いもあり、今回の決断に至りました」と率直な胸の内を明かした。
Xでは
《この決断を全力で応援したい!今まで背負ってきた重圧は本当に凄まじかったと思う 五輪の金メダルだって十分すぎるくらい偉大な功績》
《日本の卓球界に沢山の快挙を届けてくれた美誠ちゃんを尊敬してます》
など応援する声が見受けられる。
伊藤のこれまでの歩みは、まさに卓球一筋の人生だった。2歳から卓球を始めると、母との厳しい練習を経て、小学生になる頃には全国に名を知られる存在となった。2011年、10歳で出場した「全日本卓球選手権」では史上最年少勝利記録を更新。2015年に国際大会の世界ツアー初優勝、2016年のリオデジャネイロ五輪では団体銅メダルを獲得。2018年の全日本選手権では、女子シングルス・女子ダブルス・混合ダブルスの3部門を制し、史上最年少で「3冠」を達成した。
伊藤の強みは、多彩な回転を繰り出すサーブと、台の近くで素早く叩き込むスマッシュ。日本女子のエースへと成長して臨んだ東京五輪では、金メダルを獲得。世界最強の中国勢相手にも堂々と渡り合い、彼女の代名詞ともいえる「みまパンチ」やピンチでも攻め抜く強気のプレーでファンを魅了し続けてきた。しかし、それ以降は辛酸をなめる日々を送っていた。
「2022年に入ると、格下選手への敗戦が続き、そして、怪我に悩まされる日々が続きました。体調面だけでなく、常に勝ち続けなければならないという重圧から、かつての超攻撃的なプレーに影が差し始めました。さらに追い打ちをかけたのが、2024年パリ五輪に向けた熾烈な国内選考レースでした。激しいデッドヒートの末、代表の座を逃してしまいます。選考漏れが確定した直後、彼女が見せた落胆の表情は痛々しいほどでした。周囲からは『完全に燃え尽きてしまったのではないか』とモチベーションの低下を心配する声も囁かれていました」(スポーツ紙記者)
2025年5月、苦しい時期を自力で乗り越えてコートに戻って来ると、カタール国のドーハで開催された「2025 ITTF 世界卓球選手権ファイナルズ ドーハ大会(個人戦)」に参戦し、女子シングルスで銅メダルを獲得。2026年9月の愛知・名古屋アジア大会でも、卓球女子日本代表メンバーとして女子団体銀メダル獲得に大きく貢献。世界トップクラスの実力を改めて証明した。
「10代の頃から日本卓球界の先頭に立ち、走り続けてきました。パリ五輪の選考漏れという大きな挫折を味わうも、負けず嫌いの精神で再びコートへと戻り、自らの力で結果を残したことで、彼女のなかで『やりきった』と大きな区切りがついたのでしょう。無理に代表という立場に執着するのではなく、一度看板を下して、『自分は何をしたいのか』と素直に向き合う時間は、これからの人生においてプラスになるはずです」(同前)
日の丸を背負うプレッシャーから離れてリフレッシュした彼女が、次にどんな姿を見せてくれるのか楽しみだ――。
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