
阪神・佐藤輝明(写真・共同通信)
10月19日、去就が注目されていた阪神の佐藤輝明内野手に対し、嶌村聡球団本部長が甲子園球場内で会見を開き、ポスティングシステムを利用したMLB挑戦を容認すると発表した。
「まさに“サトテル争奪戦”が始まったということになりますね。今季、打率.306、39本塁打、106打点で三冠王を獲得しているだけに、評価はうなぎ上りです。
同じ左で三冠王を獲得したことからヤクルト時代の村上宗隆内野手と比較されることがよくあります。ただ、村上の場合は三冠王を獲得したのは2022年のことで、その後は成績が落ちていった。そのため2025年シカゴ・ホワイトソックスとの契約は2年3400万ドル(約54億円)と、思ったほど評価が高くなかったという印象でした。
でも、佐藤の場合は今季の成績。最近は長期の契約を結ばない傾向にあるため、年数は3年くらいが予想されます。それでも年俸は40億円くらいとなるでしょう。
とにかく三冠王に加え、27歳という若さ、そして一塁だけでなく三塁も守れるという点が大きなアピールポイントとなるはずです」(現地記者)
現時点でどこの球団が注目しているのか。
「日本人の有望選手となればいつも通りドジャースが名乗りを上げることは間違いありません。フレディ・フリーマン一塁手が37歳、マックス・マンシー三塁手が36歳と大ベテランの域に達していますから、その意味でも両ポジションを守れる佐藤の補強は理にかなっていると言えます。
ただ、これまでと違ってニューヨーク・ヤンキースが本気で獲得を目指しているという情報もあります。というのも、2020年の田中将大(楽天)を最後にチームには日本人選手が所属していません。古くはイチローさんに始まり、大谷、そして今季の村上と、日本人選手が活躍するたびにスタインブレナー・オーナーはスカウト陣に『なぜ日本人を獲得しなかった』と怒りをぶつけたと言われています。
それだけに、『今回こそ』という気持ちが強いはずです。マネーゲームになっても引かない資金力があります。また、MLBイチの実績を誇りながら、世界一は2009年が最後ですからね。単純な戦力としても集客に関しても、佐藤は絶好の補強ポイントになります」(前出記者)
ついに球団の承認という最大のハードルを乗り越えMLB挑戦の門が開かれたが、「サトテルには最後の難問が残っている」とスポーツ紙デスクは語る。
「1995年に野茂英雄さんが海を渡り、その後に続く後輩たちの道を作ったわけですが、野茂さんは当時は近鉄ファンだけでなくメディアからも大バッシングを受け、“反逆者”とまで言われました。
その後、松井秀喜さんも巨人に数々の栄光をもたらし、NPB最後となった2002年シーズンには自身最多の50本塁打を放ち、日本一にも貢献しました。ところがチームは、最後の最後まで移籍に反対。発表の会見場すら用意しませんでした。松井さんは自分で開いた会見で、『何を言っても裏切り者と言われるかもしれないが、いつか松井、行ってよかったな』と言われるよう頑張りたいと決意を口にしました。それほどまで“裏切り者”と呼ぶ人がいたというわけですね。
では、佐藤輝明の場合はどうかというと、三冠王を獲得し、チームをリーグ連覇に導いた。
しかし、今季のクライマックスシリーズ・ファイナルステージではコンディション不良のため、1、2戦を欠場しました。そのことも響き、阪神は横浜DeNA相手にまさかの4連敗を喫しました。
敗因は佐藤の欠場だけではないのですが、彼に対する失望は大きかった。そのため、MLB挑戦を快く思わないファンも大勢います」
Xでも
《せめてクライマックスシリーズで活躍してれば応援できるものの 頑張ってというより好きにすればだなぁ》
《近本中野森下佐藤輝明高寺 どんな調整したらここまで打てなくなるんだ》
と辛辣な投稿が多い。
かつて野茂は通用しないと言われたルーキーイヤーで13勝を挙げ、MLBで日本人初の新人王を獲得した。松井はシーズン当初、なかなか上がらない打球を見たスタインブレナー・オーナーが「ゴロキング」と揶揄した。それでも松井は名門の4番というプレッシャーに負けず、終わってみれば日本人初の100打点を挙げた。
批判の声を黙らせるにはやはり結果を残すしかない。ファンのしこりを歓喜に変えられるか、若きスラッガーの真価が問われている。
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