
球界最速を誇るブルワーズのエース・ミジオロウスキー(写真・共同通信)
今季のMLBを締めくくるワールドシリーズ(WS)「ミルウォーキー・ブルワーズ対タンパベイ・レイズ」が10月23日(日本時間24日)、ブルワーズのホーム、アメリカンファミリー・フィールドで幕を開けた。
両チームはそれぞれア・リーグ、ナ・リーグで最高勝利数をあげ、文字どおり、世界一を決めるにふさわしいカードとなっている。
また、ともにWS制覇の経験はなく、どちらが勝っても初めてチャンピオンリングを手にすることになる。こうしたフレッシュな戦いは、1980年のフィラデルフィア・フィリーズ対カンザスシティ・ロイヤルズ以来のことで、このときはフ軍がシリーズを制している。
ところが、全米での盛り上がりはいまいちどころか、WS全戦を中継するFOXテレビは、視聴率で史上最悪の数字を覚悟しているという。なぜか。
「両チームの本拠地は地方の小都市にあり、人口も多くはありません。要するに、ロサンゼルスやニューヨークのような大都市の対決ではないのです。そのため、地味なチーム同士の戦いとも呼ばれています。
それは選手の総年俸にもよく表れています。ブ軍の総年俸は1億4350万ドル(約227億円)で、全30球団中19位です。レ軍はもっと少なく、9830万ドル(約155億円)と25位です。全体の2位のロサンゼルス・ドジャースは3億3800万ドル(約534億円)ですので、両チームとも半分にも満たないわけです。
それでも強いのは喜ばしいのですが、華やかさがないのもたしか。この辺りも視聴率に影響してくるかもしれません」(スポーツライター)
地味な印象のある両チームだが、攻撃面ではともにMLB屈指の成績を残しているからおもしろい。チーム打率は偶然にもともに.258だが、全体のトップの数字だ。また、盗塁数もブ軍が162個、レ軍が164個とともにトップ5に入っている。しかもホームラン数でいえば154本、169本と、下から数えたほうが早いほど少ないのも特徴的だ。それでいて両チームとも得点が多いということは、いかに足を絡めた攻撃で効率的に点を取っているかが分かる。
一方、ブ軍にナ・リーグチャンピオンシップシリーズでスイープを食らったド軍は、ホームラン数が204本と両チームを圧倒しているが、逆に盗塁数となると72個と、極端に少ないことが分かる。
「この数字からも分かるように、両チームは足を絡めて、チームとして点を取って勝ってきました。じつは今回のWSは、地味と言われる反面、持ち味からも分かるように、日本人が慣れ親しんできた“スモールベースボールの戦い”と呼ばれてもいるんです。
ひとつ先の塁をどうやって奪うか、1点でも多く取るにはどのような作戦をとるのかなど、野球の原則を大事にした戦いでもあります。選手の能力に頼り切ったド軍の選手たちは、見習うべきWSになると思いますね」(現地記者)
点を取るのはホームランがすべてではないことを、両チームが教えてくれそうだ。
試合は3-2でホームのブ軍が先勝。足を絡めた両チームの戦術に、NHKで試合の解説を務めたブ軍OBでもある斎藤隆氏は思わず「見ていて楽しいですね」と話した。そして、計5点が入ったが、ホームランはゼロだった。
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