
横浜高校の織田翔希投手(写真・馬詰雅浩)
「指名をいただいて正直、びっくりしています。非常に光栄な指名をいただきましたが、先日、会見させていただいたとおり、アメリカに挑戦する気持ちはまったくぶれません」
2026年のドラフト会議で、巨人から1位指名を受けた横浜高の織田翔希投手。事前に米球界への挑戦を表明していただけに、巨人の強行指名にも動揺を見せることはなかった。ぶれずに米球界を目指しているようだ。
その証拠に、11月4日から17日までの間、MLB最大12球団との面談をおこなう予定だという。
では、NPBを経験せず、高校卒業後すぐMLBを目指す進路を球界のOBたちは、どう見ているのか。まずはNHK BSのメジャーリーグ解説でもおなじみの武田一浩氏に、織田の可能性について聞いた。
「ここ数年、いろいろな若い投手を見てきましたが、間違いなくいちばんいい投手といえます。ストレートがシュート回転しないところがいい。シュート回転すると、球の質が弱くなって、打たれるケースが出てきますから。
また投球フォームも、力んで投げていないのがいい。球質はまだプロには及びませんが、今後、よくなってくるのは間違いないでしょう。そうなれば、あまり打たれなくなると思います」
では、いきなりの米挑戦についてはどうか。
「まだ18歳ですからね。僕は日本で数年、経験してからアメリカへ行ったほうがいいと思う。まず日本でやったほうが試合に出られるし、経験の場が多くなる。日本で圧倒的な成績を残し、それから海を渡ったほうが契約面でも有利になりますから、あわてることはないと思います。
いずれにせよ、僕は伸びしろしかないと思っています。160km/h? 出るでしょう。18歳で出ますよ(笑)」
現在、野球解説者として活躍するマック鈴木氏も、NPBを経ずに16歳で渡米し、MLBの舞台に立った。かつて過酷とされたマイナーリーグの環境も、「時代とともに劇的な変化をとげている」としたうえで、本誌の取材に次のように話す。
「MLBに長くいたいのであれば、ある程度、日本で実績を作ったほうが、契約もちゃんと取れます。そういう意味で、ルーキーリーグから始めるより、NPBで5~6年やって、しっかり契約をもらったほうがいいとは言えます」
それでも、高卒後すぐにMLBに挑戦するには、何が重要になるのか。
「高校生ナンバーワン投手とはいえ、メジャーまで上がろうとすれば時間はかかる。5年ほどの覚悟は必要だと思います」
やはり厳しい道であることは間違いない。じつは、現役メジャーリーガーのダルビッシュ有も、この問題について発言しているのだ。
「音声配信サービス『stand.fm』で11月3日に配信された『ダルビッシュの言いたい放題』での話ですが、やはりマイナーの環境は過酷だと考えているようです。
『織田選手がどういう決断しても、応援するだけ』とエールを送ったうえで『15年いて、マイナーの状況もわかっていますし、いろいろな選手から相談も受けていますが、難しそうだなと思います。あくまで自分の息子がメジャーリーガーになりたいと言ったときに、父親としてはマイナーリーグに行ってほしくない』と話しました」(スポーツ紙記者)
現状では、大谷翔平らを擁するロサンゼルス・ドジャース入りが有力視されている。しかし、いくら高校生ナンバーワン投手とはいえ、相当な覚悟を持って海を渡らなければいけないようだ。
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