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岡野雅行が語った「ジョホールバルの歓喜」もう地獄です…
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.07.01 20:00 最終更新日:2018.07.01 20:00
元サッカー日本代表の岡野雅行が、6月24日放送の『マルコポロリ!』(関西テレビ)に出演した。
番組で岡野は、史上初となるサッカーW杯出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」(1997年)での決勝ゴールについて、「もう二度と経験したくない。この前に『ドーハの悲劇』があって。いまは日本はW杯出場が当たり前になっているけど、このときはW杯に出るか出ないかでサッカー界が変わってたんです」と発言する。
日本代表に選ばれていたものの「その試合にしか出ていなかった」という岡野。あまりに出してもらえないため、岡田武史監督のところへ行くと「お前は秘密兵器だ」と言い聞かされていた。
イランとの最終予選では、日本が序盤でリードしたものの逆転されてしまう。後半でなんとか2-2の同点に追いつき延長戦へ。ここから投入された岡野の本心は「出たくない」だった。それはなぜか。
「(負けたら)イランも日本も国に帰れないので、同点になってから試合も無理しなくなった。それを見てたら、これで出て行って余計なことしたら、本当に殺されると」
このため、心理的なプレッシャーから何度も決定的なチャンスを逃してしまう。キーパーと1対1になっていたのにパスを出してしまい、ディフェンダーにカットされてしまう痛恨のミスもあった。
「実際、(ピッチに)入った瞬間から何をやっているかわからなかった。ずっとスローモーションなんです。スポットライトが自分だけに当たってて何も聞こえない。真っ暗で、キーパーだけぽつんと出てくる」
岡野は続けてこう告白する。
「1人ぼっちより、ディフェンスが出てきてくれた方がいい。いないと、絶対に(点を)入れないといけない変なプレッシャーが(かかる)。しかもそのディフェンスがこけちゃう。『こけるなよ〜』と思った。来させるためにわざとスピードを緩めてた」
ゴールを外すたびにサポーターから「何やってんだオメェ!」と激しいヤジが飛んだ。岡野が「もう地獄です」という状況下、投入を決めた監督だけは「味方してくれている」と思って振り向くも、「岡野殺すぞ!」と叫んでいたという。
その後、チームメイトたちの「初めてで緊張してると思うけど、1本決めたらチャラにするから」という励ましの言葉により、ようやく冷静さを取り戻した岡野。中田英寿のシュートがキーパーに弾かれたところをねじ込み、見事決勝ゴールを決めた。
番組では「あれで負けていたら絶対にサッカーを辞めていた」と語っていた。結果を出せたからこそ明かせる秘話である。