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吉田輝星881球で準優勝「投げ続ける疲労感」を元エースが語る
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.08.22 06:00 最終更新日:2018.08.22 06:00
「秋田県勢初」はもちろんのこと「東北県勢初」の優勝を託されて、甲子園の決勝マウンドに上がった金足農業高校の吉田輝星投手(3年)。
残念ながら決勝戦では大阪桐蔭高校に敗れてしまい、悲願達成はならなかった。
地方予選から一人で投げ抜いてきた吉田投手は、決勝戦の5回までマウンドに立ちつづけ、大会を通じて881球を投げてきた。
夏の甲子園において、一大会で投じた球数の最多記録は2006年の斎藤佑樹投手(当時・早稲田実業)の948球だが、吉田投手はそれに匹敵する球数を投げたことになる。
決勝前に「疲れはまったくない。体は軽いです」と語っていた吉田だが、これほどの球数を一人で投げ抜いたときの本当の疲労感とはどのようなものなのか?
1991年夏の甲子園で同じように大阪桐蔭との決勝まで一人で投げ抜き、一大会で773球を投げた沖縄水産・大野倫投手(45)はかつて本誌の取材にこう答えていた。
「試合が終わった夜は監督自らが入念にマッサージしてくれました。ただ3回戦以降は4連投。さすがに4日目となると極限の疲労で意識朦朧としていましたね」
大会中から肘の調子が思わしくなかった大野投手は、大会終了後の10月に手術をおこなった。
「肘から骨片がいくつも出てきて、医者から骨折したまま投げていたと言われました。でも、大会の途中でマウンドから降ろされていたら、逆に恨んでいたかもしれません。いまでも監督には感謝の気持ちでいっぱいです」
吉田投手は今大会No.1投手の呼び声も高く、プロのスカウトの熱視線が注がれている。元プロ野球選手の中村紀洋氏(45)も「金足農、吉田君これからの飛躍を期待してます」とTwitterでコメントしている。
過去にもダルビッシュ有、田中将大、野村祐輔など準優勝にとどまったエースからプロ野球の好投手が生まれたケースは多い。吉田投手の夏は終わったが、まずは体を休ませて、将来更なる快投を見せてもらいたい。