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場所中も電話で相談を…「稀勢の里」頼りは「貴乃花」だけ
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2018.09.25 06:00 最終更新日:2018.09.25 08:14
「正直、出場を明言したとき、協会は引退を覚悟していた。広報には、その準備をしておくようにという指示まで出ていた。今場所のノルマは勝ち越し。できれば二桁勝利というレベルだった。
だが、勝ち越しを決めたし、鶴竜にも勝った。なかには栃ノ心、御嶽海を横綱相撲で破った一番もある。『これで引退はない』と、みんな胸を撫で下ろした。合格点だね、と(笑)」(協会関係者)
8場所連続休場から復活を目指した稀勢の里(32)は、九月場所の十日目で勝ち越しを決め、最終的に10勝5敗とした。八角理事長も「横綱といえども、休場明けだから勝ち越しはホッとする。よく頑張っている」と、称えた。
しかし、ある親方は「内容が悪すぎる」と指摘する。
「自分の形から攻めきることができないし、ドタバタ感が否めない。栃ノ心に勝った相撲を褒める人もいるが、じつは栃ノ心は古傷の右膝だけでなく、左膝も痛めている。抜けるような感じで、本来なら休場してもおかしくなかった。そんな状態の大関に勝っても褒められない。
稀勢の里は、昨年三月場所の175キロから休場が始まった翌場所までに、体重が184キロに増量。今場所は、176キロまで減量しているが、体が締まったというより、筋肉が落ちてしまったという印象。胸の張りはないし、腹回りも弛んでいる。老けてしまったように見える」
それでも稀勢の里は、綱の責任感から出場しつづけた。
「そんなとき、心の拠りどころとなっていたのが貴乃花親方だった」と担当記者は語る。
「稀勢の里は師匠の田子ノ浦親方のことを信用しておらず、今場所中も電話で貴乃花親方にアドバイスを求めていた。2人は似た相撲人生を送ってきた。
貴乃花親方は史上最年少の17歳8カ月、稀勢の里も2位の18歳3カ月で新入幕を果たし、ともに群れることを嫌い、横綱まで上りつめた。
さらに長期休場からの復活。そしてなにより “ガチンコ相撲” を評価している。だからこそ貴乃花親方は以前からかわいがっていた。
今場所、貴乃花親方は自分の部屋の力士についてより、稀勢の里へのコメントを多く求められていたが、嫌がるそぶりを見せずに応対。記者の間では、『事実上、師弟関係にある』という見方で一致している」
一方、今場所は勝ち越しというノルマは達成したが、続く十一月場所を考えると、厳しい状況が見えてくる。
「横綱審議委員会のなかには、稀勢の里を支持する委員が大勢いるが、当然十一月場所での協会の見方は厳しくなる。二桁勝利は最低条件で、それ以下なら引退に追い込まれるだろう。また、たとえ二桁勝ったとしても、一月場所では、12勝から13勝、三月場所は優勝争いと、さらに厳しい条件が求められる」(協会幹部)
相撲ファン待望の第72代横綱の完全復活は、まだまだ先のようだ。
(週刊FLASH 2018年10月9日号)