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引退「貴乃花」相撲協会への反旗は2010年に始まった

スポーツ 投稿日:2018.09.26 14:52FLASH編集部

引退「貴乃花」相撲協会への反旗は2010年に始まった

 

 大相撲貴乃花親方が、9月25日、日本相撲協会に引退届を提出後、都内で記者会見を開いた。

 

 引退の理由としてあげたのが、貴ノ岩への暴行に関する告発状を、事実無根だと認めるよう、相撲協会から圧力をかけられたこと。

 

 

「正式な通達や書類はございません。名前は控えさせていただきますが、役員のある方から、今場所に入り、告発状を事実無根だと認めろという話を直接、聞きました」

 

 この告発状は、元横綱・日馬富士が貴ノ岩におこなった暴行に対し、今年3月、内閣府公益認定等委員会に提出したもの。だが、弟子の貴公俊が付け人へ暴力をふるったことから、告発状は取り下げられた。

 

 もう一つの理由が、7月の理事会で、すべての年寄(親方)は5つある一門に所属しなければならないと決まったこと。

 

「いずれかの一門に入るための条件として、告発状の内容を事実無根と認めるよう要請を受け続けた」とし、事実を曲げるわけにはいかないと、引退を決めたという。

 

 現在、相撲の一門は「出羽海」「二所ノ関」「高砂」「時津風」「伊勢ヶ浜」の5つある。貴乃花親方は、6月、率いてきた貴乃花一門を離脱し、一門は消滅。

 

 旧貴乃花一門の阿武松親方など6人は二所ノ関一門に、立浪親方は出羽海一門に所属する。無所属だった錣山親方、立田川親方、湊親方の3人は二所ノ関一門に属する見込みだが、貴乃花親方の所属だけが未定だった。

 

 孤高の存在となった貴乃花の戦いは、2010年に始まった。

 

「2010年、相撲協会の『改革』を主張し、理事選に手をあげたのが貴乃花です。それまでは5つの一門ごとに候補が推薦され、10人の理事が無投票で決めることがほとんど。角界独特の談合でしたが、これに異を唱えたのが貴乃花親方だったのです」(スポーツ紙記者)

 

 貴乃花の立候補に対し、所属していた二所ノ関一門は反対を表明、出馬を断念するよう説得に動いた。だが、反発した貴乃花は一門を離脱、支援する6人の親方は破門となった。
 

 苦戦が予想された理事選だったが、立浪一門、二所ノ関一門からも造反者が出て、貴乃花は理事に当選。これ以降、理事選に注目が集まることになった。

 

 貴乃花が最後まで気にしていたのは、貴景勝、貴源治、貴公俊ら弟子たちの処遇だった。いずれも千賀ノ浦部屋への移籍が決まったが、稀代の横綱は、彼らに希望を託したまま、静かに相撲界から去ることになる。

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