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白血病を告白した「池江璃花子」東京五輪は「必ず勝つ」

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.12 19:39 最終更新日:2019.02.14 14:34

白血病を告白した「池江璃花子」東京五輪は「必ず勝つ」

写真・JMPA

 

 2月12日14時ちょうど、日本中に衝撃が駆けめぐった。競泳女子日本代表の池江璃花子(18)が、自身のツイッターで「白血病」の診断を受けたことを告白したのだ。

 

 池江の告白から2時間後の16時、東京・渋谷の岸記念体育館で、日本水泳連盟と、池江が所属するルネサンス関係者による緊急会見がおこなわれた。

 

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 登壇したのは、ルネサンスの吉田正昭社長、同社で池江のコーチを担当する三木二郎氏、日本水連の青木剛会長、強化担当の上野広治副会長の4人。池江本人は現れず、病気発覚後すぐに入院していることが明かされた。

 

 白血病が発覚した経緯はこうだ。

 

 1月18日から2月10日まで、オーストラリアのゴールドコーストで合宿をおこなっていた池江。週に9回の水中練習と、週2回のウエイトトレーニングをこなしていた。

 

 ところが、2週目後半(1月末)から、「これまで見たことない」(三木コーチ)肩で呼吸するようなしんどい様子を見せるようになり、体調不良を訴え始めたという。

 

 三木コーチは当初、「休ませれば回復するだろう」と考えていたが、一向に復調せず。2月4日に病院に行くことが決まり、現地の日本人医療施設で血液と心電図の検査を受けた。

 

 2日後の2月6日に検査結果が出た。この時点で具体的な病名は明らかになっていなかったが、現地の医師から「すぐに帰国したほうがいい」と告げられた。

 

 三木コーチと日本水連のドクターで相談し、2日早く合宿を切り上げ、2月8日の朝9時、池江だけが日本に帰国した。

 

 池江は帰国したその足で、日本水連の上野副会長に付き添われ、日本の病院で再検査を受けた。そして同日夜に結果が出て、「白血病」を告げられたのだという。担当の医師からは「早期発見できたことが救い。すぐに入院して治療をはじめましょう」と指示があり、そのまま入院した。

 

 診断を受けた直後、池江も付き添いの上野副会長もショックで頭が真っ白になり、なにも考えられない状態だった。ところが、池江はすぐに現実を受け入れ、前向きな姿勢を見せた。そのときの様子を、上野副会長がこう語った。

 

「本人も我々も、まさか『池江璃花子』が白血病を告げられるとは思っていなかった。それなのに1時間後には、『東京オリンピックに間に合わせるように治す。しっかりこの状態を受け止めて、管理して取り組む』という姿勢を見せたんです。

 

 本当に頭が下がる思いです。病名ふくめ、包み隠さず公表することを決めたのも、池江本人の復帰への決意からでしょう。

 

 今回の合宿は、昨年(2018年)同様にオーストラリア合宿で大きく成長できた流れで、本人が熱望したものでした。残りあと2日でしたが、いち早くという決断をした三木コーチは正しかった。

 

 医師からは『早期発見』と言われましたが、通常の生活をしていたら発見できなかったと思います。水泳のトレーニングをしている状況があったから、『ふだんと違う』『思うような記録が出ない』という感覚から発見できた病でした」

 

 池江から2日遅れた2月10日、三木コーチが帰国した。

 

「今回の合宿に入る前まで、大きな異変は見られませんでした。出発前の大会であまりいい記録が出ませんでしたが、池江はその時期、公私ともに疲れていたようでしたので、『休めばいける、問題ない』と本人とも話していました。真冬の日本と違って、オーストラリアは夏で、体も動きますし。

 

 でも、合宿に入っても、調子は上がってきませんでした。泳ぎも崩れていましたので、どういうふうにしていったらいいか、2人で相談しながら練習を続けました。池江は、食事にも気を付けてやっていたようです。

 

 ふだんの池江のスピード、タイムを見ていて、『この程度の練習で肩で息をするなんてありえない』と思い、病院に行く決意をしました。そして、2月10日に、病名がわかってから初めて、池江と対面しました。お互い言葉が出ませんでした。

 

 少しすると池江が『早く治して、また二郎さんと一緒に練習ができるように頑張りたい』と言ったんです。そして来年の東京オリンピックでは、『必ず勝つ』と。その決意に対して、これから自分が何をできるか考えてやっていきたいです」(三木コーチ)

 

 池江は当面、治療に専念する。まだ検査が終わっておらず、具体的な治療方法などもこれから決めていくという。2月16日、17日に控えていた「コナミオープン」、4月の「日本選手権」は当然欠場。来年までに復帰が叶ったとしても、東京五輪の出場権も白紙状態だ。

 

 上野副会長が最後にこう語った。

 

「みなさまが一番気になるのは『東京オリンピック』のことだと思います。私も日本代表の平井ヘッドコーチとは、『池江なしではリレーは厳しい』という話をしています。

 

 でも、まずは病気の治療が大事で、みなさまにはどうか温かく見守っていただけますようお願い申し上げます。

 

 東京オリンピックに誰よりも出たいと思っていたのは池江です。もしかしたら、今年中にトレーニングに復帰できるかもしれません。でも、いまだにこんな大きな病の後にトレーニングをさせた経験があるコーチはいません。2020年の代表選考会である日本選手権のスタートに立たせられるかが勝負です。

 

 これまでは、日本の水泳界が池江に励まされてきました。しかしこれからは、周りの選手が動揺することなく、逆に池江にエールを送ってほしい。

 

 まずは日本として、各種目で五輪の出場権を得なければなりません。池江の五輪出場可能性を守るためにも、池江以外の選手に頑張ってもらわなくてはなりません」

 

 深い絶望の中でも、みずから復帰に向けて歩き出した池江。いまはただ、回復を祈りたい。最後に、池江がツイッターで発信したメッセージをお届けする。

 

《応援してくださる皆様、関係者の皆様へご報告があります。

 

 日頃から応援、ご支援を頂きありがとうございます。この度、体調不良としてオーストラリアから緊急帰国し検査を受けた結果、「白血病」という診断が出ました。私自身、未だに信じられず、混乱している状況です。ですが、しっかり治療をすれば完治する病気でもあります。

 

 今後の予定としては、日本選手権の出場を断念せざるを得ません。今は少し休養を取り、治療に専念し、1日でも早く、また、さらに強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう頑張っていきたいと思います。これからも温かく見守っていただけると嬉しいです。 池江璃花子》

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