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ノムさん、高卒BIG3に捧ぐ「野球脳なくして大成なし」
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.03.07 11:00 最終更新日:2019.03.07 11:00
球界のご意見番として、通称「ボヤキ」といわれる辛辣コメントが人気の野村克也氏(83)は、こう力説する。
「もし、高卒時点でドラフトにかかるような実力があれば、迷わずプロ入りすべき。大学での4年、社会人での2年で自信をつけて、なんて考えは捨てて、すぐさまプロの世界に飛び込むべきだ!」
その理由について、知将らしい持論があった。
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「高校を卒業する18歳から22歳くらいまでは野球人にとって、とても重要な時期。すべてが目新しく、すべてが頭に入ってくる時期なんだ。
ここで間違った知識を植えつけられると、それが基礎になってしまい、正しくない方向にいってしまう。たとえば、社会人野球。俺もシダックスで監督の経験があるからわかるけど、ほとんどの指導者が間違ったことを教えている。
まず、結果ありきなんだ。打たれたとしても、配球のまずさを振り返るのではなく、打たれた結果だけを指摘される。だから選手は伸びない」
ポジション別ではどうだろうか。ノムさんは投手、捕手ほど早いプロ入りをすすめる。
「ともに経験、とくに『頭の経験』が大事なポジションだから。大卒で名投手っていたか?
昔、江川卓が甲子園に登場したときは、すごかったよ。堂々たる体躯に、伸び上がるような剛速球。これが高校生の球か、と恐ろしくなったほどだった。
でも彼は、巨人に入りたいがために法大に行き、浪人までした。その後、引退間近の俺とオープン戦で対戦したけど、『これは!』と唸るボールはなかったし、むしろ打ちやすい投手と感じたよ。かえすがえすも、高卒時にプロに入っていたら、と思わざるを得なかったな。
2019年も吉田輝星(18)が、進学かプロかで迷っていたようだけど、よくぞプロを選んだと言いたい」
対して、野手の場合は?
「間違った考え方を直すことは厄介だから、早いプロ入りに越したことはない。だけど、野手の技術は、プロに入ってからでも間違ったものを直すことができる。
なにより野手は打つ、守るの経験を多くこなしていく必要があるからね。プロであれ、アマであれ、実戦を積むことが大事」