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レアル移籍発表「久保建英」活躍するほど東京五輪が遠ざかる
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.06.15 00:10 最終更新日:2019.06.15 00:11
6月14日、サッカー日本代表の久保建英選手が、来季からスペインの名門レアル・マドリードに移籍することが発表された。スペイン紙『MARCA』によると、2025年6月30日までの5年契約で、年俸は100万ユーロ(約1億3000万円)、移籍金は200万ユーロ(約2億6000万円)と見られている。
久保はレアルのライバル、バルセロナの育成組織出身で、2015年に帰国してJ1のFC東京に所属。日本代表としては、6月9日のエルサルバドル戦に、史上2番目の若さでデビューした。サッカー専門メディア『GOAL』では、「世界で最も優れた若手選手50人」のランキングで世界49位を獲得している。
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久保のレアル移籍には前向きの評価も多いが、気になるのは東京五輪に出場できるのかどうかだ。
五輪はW杯と違って、日本サッカー協会に拘束権がない。過去には、2016年リオ五輪で、協会が久保裕也(現ニュルンベルク)の招集を求めるも、当時の所属クラブ(ヤングボーイズ)が派遣を拒否して出場できないこともあった。
サッカージャーナリストの六川亨氏はこう分析する。
「久保が来年、仮にレアルのAチームに行った場合、レアルは絶対に久保を五輪に出させないでしょう。ただ、下部のBチームにレンタルして、まだ活躍できていないのであれば、出場を許す可能性もあると思います。久保にとって経験を積むいい機会になりますから。そうした五輪出場に関する契約が、レアルとの間で取り交わされている可能性もあります。
いまの久保は、どんどん場数を踏みたいところ。コパ・アメリカには代表として招集されましたが、一番出たがっていたのは、ポーランドで開催中のU-20W杯という話もありました。U-20W杯なら出場機会が多くなり、もしここで大きく活躍できれば、久保の株は大きく上がったはずです。
五輪は23歳以下しか出られないわけですから、久保としてもぜひ出たいでしょう。ですが、今後、久保が実力をつけて活躍すればするほど、五輪出場からは遠ざかっていくという、なんとも悩ましい事態になります」
選手を保有するチーム側と、代表として招集したい協会側とで、トラブルが起きることもある。
「今年2月、ブレーメンが大迫勇也選手の南米選手権出場を拒否しました。
これは、1月の日本代表戦にフル出場したことで、痛めていた右臀部の症状が悪化し、戻ってきたときにプレーできなくなったから。ブレーメンは、無理やり出場させたのではないかと疑っており、ケガさせるとは何事かと怒り心頭でした。
こんなケースもあるので、久保の五輪出場も、すんなりとはいかないのでは」(六川氏)
東京五輪でも、久保の勇姿を見たい人は多いだろう。はたして、久保は五輪のピッチに立てるのか。