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アメリカの球場で開かれた「ジャパン祭」選手は楽しめず残念

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.08.19 16:40 最終更新日:2019.08.19 16:40

アメリカの球場で開かれた「ジャパン祭」選手は楽しめず残念

 

 8月18日、アメリカ・カリフォルニア州にあるサンノゼ・エキサイト球場で、日本文化を讃えるジャパニーズ・ヘリテージナイトが開催された。

 

 サンノゼ市は、サンフランシスコから車で1時間ほど南下した場所にある。市内のジャパンタウンが州から歴史地区として指定されるなど、日本とのつながりは深い。

 

 今回で8回目となるこのイベントを主催したのは、サンフランシスコ・ジャイアンツ傘下で、マイナーリーグに属する「サンノゼ・ジャイアンツ」だ。

 

 

 宇山智哉・サンフランシスコ日本総領事が始球式を務めたあと、浴衣姿のコーラス隊「かけはし」が、日米の旗を広げて2つの国家を斉唱。観客も選手も直立で、右手を胸にあてたポーズで耳を傾け、両国に敬意を表した。

 

 会場では和太鼓やサムライ演舞、コーラス、ダンス等が披露され、たこ焼きやかき氷などの和食も出店されていた。イベントの合間にはJ-POPを流す配慮も。

 

 このイベントのために、赤い日の丸の中に大きな漢字で「巨人」と書かれた特製Tシャツが用意され、先着500名に配布されていた。これは大好評で、さっそく着替えて観戦する家族連れの姿もあった。

 

 サンノゼ・ジャイアンツは、多種多様な文化を讃え、伝承するのを目的として、今年は8つのヘリテージナイトを企画している。日本はそのうちの1つだ。

 

 すでにイタリアンが開催されており、今後、アイリッシュ(アイルランド)、ハワイアン、ギリシャ、シーク教徒(インド)、ヒスパニック(ラテンアメリカ)のイベントが順次開催される予定となっている。

 

 だが、こうした目的とは裏腹に、意外なトラブルが起きるのがアメリカだ。

 

 実は、昨年、鉢巻や三角笠をかぶったハッピ姿でイベントを楽しむ選手の写真をチームがSNSに載せたところ、人種差別的で好ましくないとの声がファンからあがり、チームが削除・謝罪する事態となった。

 

 その影響か、ユニフォーム姿の選手は、イベント最中に離れた場所でウォームアップするのみ。試合開始直前、日本語補習校の子供達と一緒にポジションにつく以外、日本人グループと目立った交流はなかった。

 

 実はこれ、最近、アメリカで強く主張される「文化の盗用」の問題。自分と関係のないよその文化を私物化してはいけないという批判のことだ。日本人にとってはややわかりにくいが、タレントのキム・カーダシアンが、自身の下着ブランドに「KIMONO」と名付けて批判を浴びたのもその一環である。

 

 さらに、トランプ政権下で、誰もが人種問題に敏感になっていることも大きいだろう。

 

 会場では、チームマスコットのギガンテが、大きな頭に必勝と書かれた鉢巻を上下逆さまに巻いてイベントを盛り上げていたが、日本人からすると、アメリカにもちょっと堅苦しい部分があるのだ。(写真・文/白戸京子)

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