8月22日、履正社と星稜による、夏の甲子園の決勝戦が開催される。両校は2019年春のセンバツ1回戦で対戦しており、星稜の奥川恭伸投手が履正社を完封し、3-0で勝利。今回の決勝で履正社のリベンジなるか、星稜がまたも完封勝利するのか、大きく注目が集まっている。
8月21日の『日刊スポーツ』によれば、奥川は報道陣に対し、こう語ったという。
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「万全ではないけど、十分に投げられる状態で明日(22日)に向かえると思います。持っているものをすべて出さないと抑えられる相手じゃない。2年半の集大成を表現できたらいいと思う。春とは全然別のチームになっている。同じ印象を残して投げたら打たれる」
奥川は、今大会でこれまで自責点は0点。つまり防御率は0.00と驚異的な数字を出している。夏の甲子園で、自責点0点のまま優勝した投手は、1937年の野口二郎、1939年の嶋清一、1948年の福嶋一雄など7人のみ。もし奥川が決勝戦でも自責点を0点に抑えれば、1971年の大塚喜代美(桐蔭学園)以来、48年ぶりの快挙となる。
2018年の甲子園から今大会まで含めた通算成績では、奥川の防御率は1.15。この数字は、歴代の有力選手の甲子園通算成績(防御率)と比べてみると、相当に低いことがわかる。
〇田中将大:2.07(駒大苫小牧)
〇斎藤佑樹:1.86(早実)
〇島袋洋奨:1.63(興南)
〇桑田真澄:1.55(PL)
〇松坂大輔:1.00(横浜)
〇江川卓:0.46(作新学院)
かつて0点台の防御率を誇った江川も、奥川には注目している。
8月18日の『Going!』(日本テレビ系)で、奥川について「スライダー、ストレートも素晴らしい。一番すごいのはフォークボールですね。バッターの方まで来てから落ちる。このフォークを持っていると、上の段階にいってもすごく通用する。このボールを投げることによって、ストレートもより生きてくる。かなりの活躍がこれからあるなと思う」とコメントしている。
本誌スポーツ担当記者も、防御率0.00に向けて期待をかけた。
「もともと140キロ台中盤の球を投げる選手でしたが、今年はさらに速くなっている。今年の甲子園では、全試合で最速150キロ台前半をたたき出しました。
投球も常に安定していて、体の強さを感じます。スライダーやフォークなど、変化球のキレは抜群。ここまでくると、どうしても防御率0.00の快挙を期待します」
決勝は14時開始予定。はたして、防御率0.00で優勝できるのか。