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日本ラグビー「ヘッドコーチ降ろし」へ選手がスクラム

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.10.30 06:00 最終更新日:2019.10.30 06:00

日本ラグビー「ヘッドコーチ降ろし」へ選手がスクラム

ヘッドコーチのジョセフ氏(写真・JMPA)

 

 ラグビーW杯で史上初のベスト8進出を果たした日本代表。準々決勝・南アフリカ戦の激闘を終え、緊張もほぐれたのか、10月21日の記者会見は選手、スタッフが揃って和やかな雰囲気になった。

 

 ヘッドコーチ(以下HC)のジェイミー・ジョセフ氏(49)にまつわる「騒動」が起きたのは、その翌日の10月22日。ラグビーライターが解説する。 

 

 

「もともとW杯期間中に、日本ラグビー協会・森重隆会長と清宮克幸副会長が揃って『ジョセフの代わりはいない』と発言したので、HC続投が既定路線と思われていた。

 

 だが、10月22日に『日刊スポーツ』が『ジョセフHC白紙も』と報道し、協会内が “ジョセフ続投” で一枚岩でないことが、明るみに出てしまった」

 

 実際に協会は水面下で、次期HC候補として、トヨタ自動車のジェイク ホワイト監督(55)や神戸製鋼のウェイン・スミス総監督(62)に接触していた。

 

「協会がほかの候補者と交渉したのは当然です。じつは『次のW杯は、ジョセフだけでは勝てない』と手腕を疑問視する幹部が多い。

 

 ですが、礼賛報道一色のいま、『功労者のジョセフに続投要請しないなんて、協会はおかしい』という世論が出来上がってしまった」(同前)

 

 前出の報道の2日後の10月24日、協会はジョセフHCに正式に続投オファーを出した。

 

「しかし、この決定には、代表選手から不安の声が出ています。選手たちは、『今回の快進撃の本当の立役者は別にいる』と思っている。

 

 10月21日の会見で、田中史朗はトニー・ブラウン、スコット・ハンセンの両コーチの続投を強く希望しましたが、じつはこの2人こそが、選手たちからジョセフよりもずっと信頼を得ている存在なんです」(協会関係者)

 

 攻撃面を担当するブラウンコーチと、守備担当のハンセンコーチ。「躍進は彼らがいたから」と、選手だけでなく協会幹部もみているのだ。

 

「ジョセフHCではなく、ブラウンが残ることこそが重要なんです。彼は新しい戦術やサインプレーを生み出す、代表の “頭脳” 。

 

 だが、すでに彼はスーパーラグビーの『ハイランダーズ』と契約を結び、日本から離れ、オールブラックス入りが噂されている。ハンセンも近く代表を抜ける可能性が高い。

 

 ジョセフHCはチームを “ONE TEAM” にまとめる力は評価されたが、長らく勝てず、主将のリーチ マイケルに『エディー・ジョーンズ前HCのやり方がよかった』と批判された時期もある。

 

『両コーチが抜けて “飛車角落ち” のジョセフHCだけなら別の人を……』と、選手から声が出るのは必須です」(スポーツ紙記者)

 

“240日合宿” など、日本代表中心のスケジュールで強化したジョセフHCだが、「人脈の少なさ」も懸念されている。 

 

「彼の指導経験は、ニュージーランドと日本の2カ国でだけ。ブラウンに代わる参謀を探す作業も、難航するだろう」(同前)

 

 続投要請への、世間の歓迎ムードとは逆に、4年後のフランスW杯に向けて代表には暗雲が立ち込めているのだ。前出のラグビーライターは、「フランスW杯の組み合わせが決まる2021年まで、世界ランク8位以内の維持が必要」と語る。

 

「8位以内を維持し、予選プール内で世界ランク上位でないと、W杯は厳しい戦いになってしまう。なので、選手の不安を払拭し、強さを維持できるスタッフが必要なんです」

 

 代表選手たちは、“反抗のスクラム” で押し勝てるか――。

 


(週刊FLASH 2019年11月12日号)

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