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織田信成騒動の背景に…「フィギュアスケート」劣悪な練習環境

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2019.12.06 06:00 最終更新日:2019.12.06 06:00

織田信成騒動の背景に…「フィギュアスケート」劣悪な練習環境

 

「以前から仲が悪かったわけではないのに、まさかここまでになるとは……」
 フィギュア関係者さえ、そう驚いた。

 

 9月まで関西大学アイススケート部の監督を務めていた織田信成氏(32)が、同大で指導する濱田美栄コーチ(60)を、「モラルハラスメント」で提訴した問題。濱田コーチがリンクの使用ルールを守らなかったため、織田氏が注意したところ、急に無視されるようになったという。

 

 

「織田くんは、テレビのバラエティ番組で見せるおっとりした顔とは違って、フィギュアのことになると、非常に責任感が強い。選手の安全を考え、『スケーティングとジャンプの練習時間を分ける』などのルールを提案したことで、濱田コーチと対立したのではないか。

 

 彼女は物事をはっきり言う人で、練習も厳しくストイックだが、コーチは総じてそういうタイプが多い。織田くんの母校である関大が、あいだに入り話し合っていれば、ここまでこじれなかったのでは」(前出のフィギュア関係者、以下同)

 

 濱田コーチといえば、宮原知子(21)、紀平梨花(17)、本田真凜(18)らを育てた実績を持つ、名コーチだ。

 

 問題の舞台となった、関大の「たかつきアイスアリーナ」は、濱田コーチと田村岳斗コーチ(40)が中心に指導している「濱田チーム」、長光歌子コーチ(68)と本田武史コーチ(38)が指導する「長光チーム」、織田氏と彼の母である織田憲子コーチ(72)が指導する「織田チーム」の3チームが拠点にしている。

 

 トップ選手が多いうえ、関大のアイスホッケー部も使用するため、つねに多くの選手が利用している状況だ。2014年のグランプリシリーズ中国大会の練習中に、羽生結弦(24)が中国人選手と衝突して流血する事故があったが、そんな危険と隣り合わせで練習をするのは、日本スケート界では日常茶飯事なのだ。

 

「東京都でさえ、年間を通して使用できるスケートリンクは4カ所。そのうちのひとつ、明治神宮外苑アイススケート場では、20人以上のコーチが指導している。そのコーチの下に、それぞれ10~20人の選手がいて、それがひとつのリンクで滑っている。

 

 カナダなどは練習環境に恵まれていて、フィギュア専用のリンクも多い。海外と日本の差は、コーチの指導力ではなく、練習環境の差だ」

 

 現在、日本でコーチの資格をもつのは250人以上。大御所コーチの教え子が、コーチとなるケースも多い。

 

「コーチを選ぶのは選手サイドで、連盟は斡旋や推薦はできない」ため、何人もコーチを変える選手も珍しくない。

 

 浅田真央(29)は22年間の選手生活で、門奈裕子(54)、山田満知子(76)、ラファエル・アルトゥニアン(62・ロシア)、タチアナ・タラソワ(72・ロシア)、佐藤信夫(77)の各コーチに師事してきた。

 

 コーチを変えることで成功するとは限らず、幼少のころから指導を受けてきた山田満知子コーチのもとを離れた宇野昌磨(21)は、今季は絶不調に陥っている。

 

「『環境を変えたい』ということですが、練習で修正点を指摘してくれるコーチの不在は大きいです。フィギュアはコーチといる時間が長いこともあり、関係は密接で、親子に近いといえます。コーチのひと言は、気持ちを切り替えられる “魔法の言葉” のようなものです」(元フィギュア選手)

 

 4回転を跳ぶロシアの若手選手が世界を席巻しているが、日本でも負けじと有望な選手が育っている。劣悪な環境に負けず、選手のパフォーマンスを発揮させる、コーチの責任は重大なのだ。

 

 以下では、注目度が高かった選手とコーチのコンビを振り返る。

 

【名選手×名コーチの相性は……】
●荒川静香×タラソワ
 長久保裕コーチ(72)、佐野稔コーチ(64)を経てタラソワコーチのもと、実力を開花させた

 

●坂本花織×中野園子
 中野コーチ(67)は佐藤信夫コーチの教え子。坂本花織(19)のほか、三原舞依(20)らを指導する

 

●浅田真央×佐藤信夫
 浅田真央は、5人のコーチに師事。佐藤コーチのもとで臨んだソチ五輪は、6位に終わった

 

●安藤美姫×モロゾフ
 安藤美姫(31)の最初のコーチは門奈裕子氏だが、2006年から師事したニコライ・モロゾフコーチ(43)の印象が強い


(週刊FLASH 2019年12月17日号)

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