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ユース五輪で金…アイスダンス西山真瑚は17歳でカナダ一人暮らし

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2020.01.16 20:00 最終更新日:2020.01.17 15:25

 

ユース五輪で金…アイスダンス西山真瑚は17歳でカナダ一人暮らし

ユース五輪の会場

 

 私は、シングルとアイスダンスの二足のわらじを履いて頑張っている西山真瑚選手が気になって仕方ありません。全日本ジュニア選手権で初めて演技を見て、すっかりファンになりました。

 

 カップルの吉田選手を終始気遣いながら、常に笑顔を絶やさず、立ち居振る舞いもさわやか。そこで、4月から大学生になる17歳の日常と素顔をちょっとご紹介しましょう。

 

 西山真瑚選手は2002年1月24日生まれ。6歳からシングルを始め、2012年に全日本ノービスB優勝、2016年にはジュニアで東日本選手権に優勝するなど、その才能は幼少の頃から知られていました。

 

 憧れの先輩、羽生結弦選手を追って、高校進学と同時に親元を離れ、練習の拠点をトロントのクリケットクラブに移し、スケート漬けの毎日を送っています。

 

 確かなスケーティング技術と、もって生まれた華やかさが強味。親戚に英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、高田茜さんがいます。高田さんの踊りはしばしば「sparkle(輝き)」と表現されますが、西山選手にも同じ印象を持つ人が多いでしょう。

 

「昔、茜さんに身体の動かし方を教えてもらった」という西山選手。2019年に同バレエ団が来日した際は、男性ダンサーと一緒に写真を撮り、彼らの姿勢を研究するなど、表現力の向上に余念がありません。

 

■憧れは羽生結弦選手

 

  羽生選手について、西山選手は嬉しそうに語ります。

 

「羽生くんにすごく憧れているというか、羽生くんは本当にすごい! 練習から本気だし、集中力の合わせ方が同じ人間とは思えないのです。生で見たら、絶対に誰でもすごいと思うはず」

 

 日本人スケート選手はみな仲良しですし、同じクラブで練習する兄貴分の羽生選手に何か相談したりしないのかと尋ねると、「『がんばれー!』って言われます」と、にっこり。

 

 西山選手はこの春、早稲田大学人間科学部に、一般入試で見事に合格。早稲田は羽生選手が通った大学であり、将来、スケートのコーチになりたいという目標にもかなう勉強ができそうです。

 

 近くに「羽生くん」という最高のロールモデルがいることが、西山選手の大きなモチベーションになっていることがうかがえます。

 

■シングルとアイスダンスの二刀流

 

 西山選手は身長170センチ、体重57キロ。シングルの選手として、本人の理想とする体型はやはり羽生選手ですが、アイスダンスを始めて、最近すこし変化があるようです。

 

「自分は、スラっとした羽生くんみたいな感じが好きなんです。でも、世界基準で見ると、シングルでも自分は線が細すぎる。アイスダンスのトップダンサーを見ていると、女性をリフトすることもあり、みんなガッチリ、しなやかなんです。

 

 それで、自分ももう少ししっかりした体型になった方が、遠くから見ても見栄えがするし、いろいろな曲のバリエーションにも挑戦できるなぁと考えて、ウエイトトレーニングを始めました」

 

 シングルのトップスケーター、アイスダンスのジュニアのトップチームが同じリンクで切磋琢磨するトロントでの日々は、西山選手にシングルとアイスダンスの二刀流に取り組むことを決断させました。2018年、きっかけはクリケットクラブのアイスダンスコーチのアドバイスです。

 

「『オリンピック団体戦のカップル戦で成績を出せば、日本はメダルに届く。アイスダンスに挑戦することで、日本に貢献できるのではないか』と言われたのです。 

 

 日本では珍しいですが、クリケットクラブにはシングルとアイスダンスの二刀流でやっている人がたくさんいます。アイスダンスで世界のトップを目指しつつ、シングルも頑張ることで、日本におけるアイスダンスのイメージを変えたいと思いました」

 

 アイスダンスのパートナーとなった吉田選手とは、近くで滑る、息を合わせるというアイスダンスならではの感覚に慣れることからスタート。「アイスダンスは『躍る』のがメインの競技です。相手とシンクロしながら、自分の良さをいかに出していくかが課題だと思っています」と、力強く語ってくれました。

 

 現在は午前2時間、午後2時間の氷上練習をおこない、1時間ウエイトトレーニングという毎日が続いています。

 

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