タカアンドトシとは25年ぐらいのつき合いという長谷川(左)。「上京してからも、しょっちゅうご飯を奢ってもらってます。向こうは僕と会ってもメリットないのに、『今日何やってるの?』って誘ってくれるんです。でも、僕がバイトで行けないから断わることも(笑)」
渡辺「それから千鳥さん。『チャンスの時間』(AbemaTV)で、歯がない芸人がいろんな食べ物を丸呑みするって企画に、雅紀さんを出してくれたんです。この人、奥歯が5本ないんですよ。千鳥さんも、『すげえおっさん来たなあ』と、イジってくれて」
長谷川「母親からは電話で、『丸呑みなんて芸じゃない!』って怒られました」
渡辺「50歳になる息子に……」
長谷川「『有吉ぃぃeeeee!』(テレビ東京系)にも2回呼ばれたんですが、有吉さんが『こんなもん、「ザ・ノンフィクション」(フジテレビのドキュメンタリー番組)じゃねえかよ』と。僕の芸歴と年齢とこの部屋とか見て、あの番組に出てる人みたいじゃんと、ツッコんでくれて(笑)」
そして、無名時代から何度も褒めてくれたのが、博多華丸・大吉だった。
長谷川「5年ぐらい前、ライブに呼んでもらったんです。そこで華大さんが『君ら、おもしろいね』って言ってくれたのがネット記事になって。それからは、いろんな番組で『錦鯉っておもしろい』って言ってくれて。でも、僕らはいっこうに売れない。だから華大さんが、『いい加減、売れてくれ』と怒ってるらしい(笑)」
最近、長谷川は「新型コロナウイルス対策の持続化給付金をもらおう」という番組に出演したが、去年より収入が増えており、もらえないまま番組が終わるという、まさかのハプニングが起きた。
長谷川「元が低すぎますからね。去年の年収が32万円で、月平均2万7000円。今年1月が月収3万円、2月は4万円と、微妙に増えちゃって」
渡辺「僕は、ギリギリもらえた」
長谷川「僕ら貧乏ネタが多いからね。漫才のつかみで、『バイト始めて30年だよ!』ってよく言うんですが、それを聞いてた20代のピン芸人が『あの人、俺が生まれる前からバイト続けてんのに、まだ芽が出ないのかよ』って泣きだしちゃった(笑)」
渡辺「彼からしたら絶望だもんね。自分の未来がこれかと」
2020年の『M-1』に懸ける思いは、相当なものと思いきや……。
渡辺「出ます。でも、まだエントリーしてない(笑)」
長谷川「ソニーの芸人って、バイきんぐもアキラ100%もハリウッドザコシショウも、優勝したのはみんな、いい年になってからなんです。だから、『僕たちにもチャンスがある』って思わされて。でも僕らが優勝しちゃうと、もう誰もやめねえんじゃねえかって(笑)」
後がなさすぎる2人、一発逆転なるか。
にしきごい
・はせがわまさのり 1971年7月30日生まれ 北海道出身
・わたなべたかし 1978年4月15日生まれ 東京都出身
2012年結成。『M-1グランプリ2016』『同2019』準決勝進出。現在、ネットラジオ『錦鯉の人生五十年』(GERA放送局、毎週月曜日20時~)にレギュラー出演中
(週刊FLASH 2020年9月8日号)