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女子アナ宮崎宣子の「ドツボ脱出」乗り物が苦手です…

バラエティFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.05 16:00 最終更新日:2020.09.11 10:58

女子アナ宮崎宣子の「ドツボ脱出」乗り物が苦手です…

 

【宮崎さん、助けて!】

 

 僕は乗り物が苦手なんですが、初めてできた彼女とディズニーランドに行くことになりました。彼女に恥ずかしいところを見せたくないのですが、どうやったら乗り越えられるでしょうか? 宮崎さんは今まで乗り物で苦労したことはありますか?

 

 

【お答えしましょう】

 

 ありますよーーーーー!

 

 アナウンサーと言えば、乗り物ロケです。入社1~3年目くらい、私は『TVおじゃマンボウ』という番組を担当していました。新人がいろいろなところへ取材に行くのですが、あるとき、、、

 

 夜中の11時に集合して、先輩アナウンサーが下田にカジキマグロを釣りに行くのを私がお弁当を作って見送り、その後、港で合流して別ロケする台本をもらいました。

 

 ところが、いざ先輩を送り出そうとすると、「宮崎、お前も行くんだよ! アナウンス部長の許可も取ってある!」と言われて、着替えと酔い止めを飲まされて船に乗せられました。まさにドッキリです。

 

 その日は波の高さ3.5メートル。船長さんも、「こんな日は海に出ないんだけどね、、、まぁ面白い絵は取れるかもしれないけど」と言ってました。

 

 そもそもロケ日はずらせないので、天気が悪かったとしても、どうにかして行ったとは思いますが、そのときは3.5メートルの意味がよくわかっていませんでした。

 

 朝の4時に出航。「とりあえず4時間はかかるので寝てください」とスタッフに言われ、爆睡。。。「宮崎さーん。起きてくださーい」と言われて目が覚めたと思ったと同時に「おえー」と吐き気が。。。

 

 甲板に出ると、グレーの海で、船がすごい勢いで波と戦っていました。え・・・何ここ?

 

 先輩とメインカメラマンは真っ青な顔で、船内でバケツを抱えて、ずーっと「おえーーーーーー」って。。。

 

(その後のご想像はおまかせします)

 

 船内に海水がざぶ~んと入り込み、ADの男の子が小さいカメラを持ったまま、波に足を取られて船首から船尾まで流されていました。

 

 ようやく船の先頭までたどり着き、副船長の姿を見つけましたが、他は誰もいません。振り返れば、舵取りしている船長と副船長と私のみ。。。

 

「ディレクターは?」と聞くと、「あそこだよ!」と指を差された先には、今にも海に落とされそうになりながら、ずっとリバース。。。

 

 そのときは初めてのディレクターさんで、見た目は格好よく、ハンサムボイスだったのに、見る影もないほど。3回目のリバースが間に合わず、自分の胸もとにお戻しになっていましたが、その後、頭からかぶった海水に洗い流されていました。まさに地獄絵図。

 

 これ・・・どうしよう。

 

 寒さと強い海風が顔に吹きつけ、ガラスが刺さるような痛みが走ります。副船長から目刺し帽をかぶらされ、もはや、銀行強盗状態。

 

 実は、3.5メートルの波とは、船が波で3.5メートル飛び上がり、その後3.5メートル落ちるのです。飛び上がるときには、体が浮くので柱に捕まり、落ちる瞬間は、バウンドしてしゃがまないと、どーんと落ちるので腰を痛めてしまいます。

 

 入社3年目の私は、目刺し帽姿で、グレーの海の荒れ狂う波を見ながら、副船長と何時間も飛んだりしゃがんだりを繰り返していました。

 

 なんとかしてロケをしなくては、、、20分の尺なのに、まだオープニングしか撮れていない。数秒で終わってしまう。

 

 そこで、一瞬だけ先輩が来て、「宮崎、申し訳ない、俺はダメだ。。。」というシーンを撮り、その後、たまたま漁村生まれの音声さんが、見よう見まねで大きなメインカメラを回してくれました。

 

「現在下田港から出発して、カジキマグロを釣りにきました。波が高くて、釣れるのでしょうか?」みたいなコメントを言ったような気がします。

 

 海って、逃げ場がないんです。地上なら、ちょっと休むことができるかもしれませんが、外洋に出た今、もはや出口なし。。。

 

 なんとかカメラを回さなきゃと、目刺し帽を取り、髪もメイクもボサボサ、ボロボロのまま、カジキマグロを刺すようなシーンを撮りましたが、そもそもこんな濁った海にカジキマグロはおらず、船長がおまけで仕掛けた金目鯛が何匹か釣れて終わりました。

 

 私は真っ青のまま16時間の外洋ロケが終わり、ようやく港に到着。 結局、上陸するまで、先輩アナウンサー、ディレクターさん、カメラマンさんを見ることはありませんでした。

 

 それから地上に戻って、唯一採れた金目料理をお店で振舞ってもらうロケをしましたが、全員の体がずっと揺れており、帰りのロケバスでも、ずっと揺れながら爆睡。会社に戻れたのは夜10時でした。

 

 それだけ頑張ったのに、映像がブレ過ぎて放送に耐えられなかったらしく、20分の尺がどうなったかというと、たった4分半でしたでしょうか・・・。

 

 あの日、無事に帰ってこられたのは奇跡だったんじゃないかと思います。そして、あの外洋ロケ以来、私は多少の乗り物にはまったく動じなくなりました。360度グレーの海の中で、携帯の電波もなく、頼れるものは、この船と自分しかいないと思ったとき、肝っ玉が座ったのでしょう。

 

 やるしかない!

 

 質問者さんは、きっとこのときの私に比べたら、ディズニーランドなんて、へっちゃらに思えてきませんか? 完璧な安全性があり、終わりもわかっており、滞在時間も数分しかないわけです。

 

 ほら! 余裕出てきましたか? 彼女と、カメラスポットで笑顔まで振りまけそうじゃないですか? 荒波に勝つと思えば大丈夫。あ、もちろん私は、もう2度と外洋に出たくはないですよ。。。

 

宮崎宣子(みやざきのぶこ)
 宮崎県宮崎市出身。早稲田大学卒業後、日本テレビアナウンサー。現在はフリーアナとして活動しつつ、実業家としてオーガニックハーブ販売中

 

※宮崎アナへの人生相談はインスタグラム@miyazaki_nobukoで募集しています

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