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たった21年でブレイクした男・永野「僕は時代に抱かれた男」
エンタメFLASH編集部
記事投稿日:2016.11.05 20:00 最終更新日:2016.11.05 20:00
「今日は全部しゃべっちゃおう」と、大ジョッキを掲げる永野。「売れましたね~」と、鼻の穴をふくらませてニヤける。
「今年42歳。20年間売れなかったのに、急に売れましたからね。同世代の星ですよ。ロッキーか永野かってくらい。
2年前まで地下の劇場ばかりに出ていた人間が、今年の夏はフジテレビ『お台場夢大陸』のナビゲーター。日本でいちばんサクセスを摑んだ芸人ですよ。
僕みたいな人間を時代が待ってたんでしょうね。数年前までは、世間が優しさや癒やしを求めていたと思うんです。でも、今はみんなただブチ上がりたい! ハロウィンが急に盛り上がりだしたのもそのせい。
そこに現われたのが、理由や理屈なんか関係ない僕。宮崎に住んでる僕の兄貴も、『今は何も考えないで観られるのがウケる時代なんだろうな』って言ってましたから。時代に抱かれた男なんでしょうね」
そんな永野を、売れる何年も前から慕ってきたのが、所属事務所の後輩芸人たち。新宿や中野などの小さい劇場のライブに出ては、居酒屋で飲んだくれていた。
しかし永野は、飲み代を多く出すどころか、きっちり割り勘だったという。
「いや、割り勘ならいいほう!」と、ツッコむパーティ内山。
「20時間くらい飲んだ日があったんですが、支払いせずに逃げたんです」(内山)
永野いわく「持ち前の演技力で、払ったふりして逃げた」というが、それでも憎めないのは、永野の可愛げゆえか。
「ちょっと売れたころ、多めに払ってくれたことがあって。あまりの衝撃に、記念にその5000円札を撮影しました」(内山)
「最近よく一緒に営業に回らせてもらってます。初めておごってもらったときはリアルに泣きました」(シオマリアッチ)
「ついこの前、永野さんと僕らカミナリの3人で飲んだとき、僕らは一人1000円ずつ出したんです。そうしたら『今この1000円を受け取ったら2人は確実に笑うだろうけど、俺はもうそんな笑いの取り方はしない』って。永野さん、カッコいいんすよ!」(カミナリ・たくみ)
「8月にイベント出演で地方に行って、僕の部屋で飲んだときは愚痴、悪口ばかりでしたけど(笑)」(カミナリ・まなぶ)
売れっ子芸人となった永野だが、「マジで売れるとは思ってなかった」という。
「売れずに20年間やってたのもおかしいし、41歳にもなって売れたなんてもっとおかしな話でしょ。30歳くらいで売れてたら芸能人になれたかもしれないけど、普通の人間として40年もやってきたから、いまさら“芸能人様”にはなれないんですよね。
だからヤンチャな素人くさいままでいきたい。僕、今でも近くの人を笑わせるつもりでやってるんです。テレビの前の遠くにいる人ではなくて。友達にウケる笑い。世界初、このノリで売れた芸人になってやろうと思ってます」
永野のマイブームはラップ。今注目されている『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)を観てハマったという。
「昔、エミネムが売れたとき仲間たちを引き上げたように、僕も周りのおもしろい芸人たちを引き上げたい。『FLASH』ももう友達ですから、引き上げますよ! 待っててください、スクープとか持ってきますから!」
取材&文・松田優子
(フラッシュ増刊ダイアモンド2016年10月27日号)