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安倍プーチン会談「北方領土交渉」の秘策は「111年前の伝説」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2016.11.28 06:00 最終更新日:2016.11.28 06:00
安倍首相は11月20日(日本時間)、ペルーの首都リマでロシアのプーチン大統領と15回目の会談をおこなった。
「歴代総理でこれほど信頼関係を築けたケースはありません。2人がトップのときに話を進めなければ、北方領土問題の進展は無理でしょう」(「インサイドライン」編集長の歳川隆雄氏)
12月15日には、安倍首相の地元・山口県でも首脳会談が予定されている。決戦の日を前に、安倍総理が触れ回っている逸話があるという。
111年前、日露戦争にまでさかのぼる秘話だ。総理と同じく山口県選出の河村建夫衆院議員が言う。
「1905年、勝敗を決した日本海海戦の話が残っているんです。山口県萩市の沖合45kmの見島という離島に55人のロシア兵が流れ着いたとき、『皆殺しにしてしまえ』と叫ぶ日本人もいた。ところが、敗残のロシア兵だとわかると『同じ海の者として、治療と救護を尽くした』という秘話なのです」
山口県須佐町(現・萩市)の法隆寺に建てられた碑。その裏には、同じく、こんな秘話が綴られている。
《33人のロシア兵を収容し、衣食を与えて治療を尽くした。ロシア兵は感謝し、なかには故郷の肉親に手紙を差し出して、日本人が親切であり文明人であることを訴えて……》
「こうした秘話を『プーチン大統領との会談で使えないか』と安倍総理に話し、秘書官にはロシア語に訳しておくよう伝えてあります。安倍総理の地元の長門市にも、ロシア兵を慰霊する墓があるようですから」(同前)
会談場所とみられているのは長門市の温泉旅館「大谷山荘」だ。そこから車で約30分。日本海に面した「大越の浜」に2つの墓碑が並んでいる。
地元・長門市通(かよい)公民館の山田功平館長が解説する。
「1904年に日本兵ら1000人以上を乗せた常陸丸が露軍に沈められ多くの遺体が流れ着きました。その翌年、ロシア兵の遺体が漂着した。複雑な心境があったでしょうが、手厚く葬ったと。プーチン大統領に墓碑を訪問してほしいとの思いはあります」
会談場所について外務省に問うと、「広報しているのは12月15日に長門市で首脳会談をやりますということのみ」(ロシア課)。
大谷山荘では、温泉を満喫後、食事しながらの会談となる可能性が高い。
「通訳のみが同席する会合となるでしょう。5月7日のソチ、9月2日のウラジオストクでは、イーリ・サプリン氏が通訳を務めた。彼は9月中旬、ひそかに駐日参事官として東京に着任している。この人事を見てもロシア側のやる気がわかる」(前出・歳川氏)
水面下で進む極秘交渉。領土奪還の見通しはむろん甘くはないが、山が動く可能性はある。
(週刊FLASH 2016年11月8日号)