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石原慎太郎は霊友会と蜜月「政治家と宗教」大研究

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.03.25 12:00 最終更新日:2017.03.25 15:15

石原慎太郎は霊友会と蜜月「政治家と宗教」大研究

『霊友会本部』

 

「2016年参院選で、公明党は全国比例で757万票を獲得。さらに同選挙で立正佼成会が民進党・白眞勲(はくしんくん)、藤末健三両議員に推薦を出し、2人合わせて約28万票の得票に大きく貢献しています。政治家にとって、新宗教がいかに大きな存在であるかの証左でしょう」(季刊「宗教問題」編集長の小川寛大氏)

 

 集票力と動員力で、政界に存在感を放つ新宗教。その代表格は創価学会だ。

 

「実質的な学会員数の3倍票を集める」(小川氏)とされ、選挙のパフォーマンスは群を抜く。

 

「政権の要、菅義偉官房長官の選挙区は無党派層が多い神奈川。学会員には『私たちがいなければ菅さんは終わり』と公言する人も。菅氏の当落を、創価学会が握るほどなのです」(小川氏)

 

 選挙での比類なき強さは、創価学会だけが作り上げたシステムだ。
 宗教学者の島田裕巳氏が言う。

 

「政治に熱心というより、あくまで選挙に熱心なのです。創価学会には、『仏法は勝負だ』という教えがあります。勝ち負けがはっきりする選挙を組織の引き締めに使う仕組みを、戸田城聖・第2代会長が作り上げたのです」

 

 戸田会長の後継は、1960年に、32歳の若さで第3代会長に就いた池田大作名誉会長だ。現在の公明党結党を主導し、政界進出を強めた。

 

「高度経済成長期に信者数が急増。1960年代、1000万人近く集めたとされ、公明党が第一党になるといわれるほど、勢いがありました」(島田氏)

 

■創価学会に続いて政界を彩った新宗教

 

 創価学会の政界進出に危機感を持ったのが、立正佼成会だった。

 

「創立者の庭野日敬氏は、生涯、創価学会と対峙した人物。立正佼成会はもともと、親・自民党でした。自公連立が成立してからは、民主党(現・民進党)の支援に。政治的な立場には、あまり重きを置いていないのです」(小川氏)

 

 立正佼成会は、白眞勲、藤末健三両参院議員に加え、大島九州男(くすお)、風間直樹両参院議員を支援している。

 

「参院選で、民進党は労組系候補者を出しますが、電力総連の候補者が得た票は、約27万。2016年参院選では、白、藤末両氏を見事な票割りで当選させたわけで、労組を超えた集票力を立正佼成会は持っている」(同前)

 

 実際の信者数は「30万人ほど」(島田氏)とはいえ、その結束力は強い。

 

 昨今、豊洲市場移転問題で注目を浴びている、石原慎太郎元東京都知事と霊友会との蜜月は有名だ。

 

「石原氏は初出馬のとき、『20万票を頼んだら、小川喜美教主から、もっと出すから弟子になりなさいといわれた』という逸話を著作で紹介しています。事実上、霊友会の顔役だった石原氏を、教団は引退まで全力で支えました。しかしいまや、信者から、『石原さんが引退してよかった』という声を聞きます。じつは、もともと政治家の支援に熱心な教団ではないのです」(小川氏)

 

■宗教と政治は縁を切れない

 

 奈良県天理市に本拠を置く天理教は、地元に深く根を張っている。

 

「歴代市長や市議会議員に信者が多く、教団からの寄付が市財政を支えるほど。天理市が選挙区の一部である高市早苗総務相なども、逆らっていいことはありません。友好的なら、教団は
信者でない政治家でも助けます。高市氏とは、関係はよいようです」(島田氏)

 

 2009年に国政進出を試みた幸福の科学。だが、337人の候補者は全員落選、11億5000万円の供託金を没収された。とはいえ、教団の潜在力は侮れない。

 

「没収が教団の財政を痛めたようですが、いまだにアルファードなど高級国産車に乗る富裕層の信者が多くいます。2016年参院選では、全国比例で約36万票を獲得するなど、立正佼成会を凌ぐ集票力があります」(小川氏)

 

 新宗教の力があっても、必ず当選するわけではない。「生長の家」の信者で、かつて教団の支援を受けていた村上正邦元参院議員が指摘する。

 

「団体から思いを託されますから、信者は議員をよく見ています。最近は、議員になりたい、票が多くほしい、と宗教団体にすり寄る人がいますが、そんな人の応援に、力が入るわけがありません。けしからんですよ」

 

 信心の力を見くびってはいけない。
(週刊FLASH 2017年3月14日号)

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