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やついいちろう、主催オンラインフェスは「町内の盆踊りみたい」

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.06.19 20:00FLASH編集部

やついいちろう、主催オンラインフェスは「町内の盆踊りみたい」

 

 新型コロナウイルス対策により、2020年の春から夏にかけて様々なイベントが中止・延期を余儀なくされた。規模が大きい音楽やお笑いのライブは、真っ先にその煽りを受けている。

 

 そんななか、オンラインの音楽&お笑いイベントとしては日本最大級となる「ONLINE YATSUI FESTIVAL! 2020(以下、オンラインやついフェス)」が、6月20・21日に開催される。主催者は、自身もDJとして音楽活動をおこなう、お笑いコンビ「エレキコミック」のやついいちろうだ。

 

 

 やついは2012年から、「YATSUI FESTIVAL!(通称・やついフェス)」というリアルのイベントを、近年は毎年6月末ごろに開催してきた。同イベントは、渋谷の10数カ所のライブハウスで同時多発的におこなわれているライブを、タイムテーブルを見比べながら行き来して楽しめる「観客周遊型」の公演だ。2020年もギリギリまで、リアルでの開催を目指していたという。

 

「4月の末頃までは、なんとかやる方向で動いていたんです。でも、コロナが落ち着いていなかったので、アーティスト発表をしないまま様子を見ていて。

 

 さすがにGW前には『ちょっとできないね』という話になり、明けた頃には中止を発表しました」

 

 中止を決意した瞬間から、仲間内で「オンラインでやれないか」と話が進み始めた。中止発表からわずか1週間後、今度は「オンラインやついフェス」の開催を発表した。

 

「今年フェスを中止しても、来年できる保証は、どこにもないわけじゃないですか。オンラインだったら、絶対その日に何かできる。何もないより、『何かしら楽しい1日が未来にある』っていうことが、この状況では大事かなと思って動いたんです」

 

 やついが、もっとも注力しているのは、「これまでのやついフェスと同じ感覚で体験してもらう」ことだ。

 

「自分の見たいステージに合わせて、街じゅうを自由に移動し、ずっと同じ場所にいるフェスではないことが、『やついフェス』の大きな特徴のひとつでした。

 

 オンラインでの配信を考えたときに、配信するプラットフォームを限定して、1つのメディアを朝から晩まで見続けるというのは、『やついフェス』らしさを感じなかった。それで、『たくさんあるプラットフォームを、ライブハウスとして見立てられないか』というアイディアが出てきました。

 

 YouTube、ニコ生、LINEライブ、インスタ、ツイキャス、SHOWROOM……どの配信プラットフォームを選ぶかは、出演者さんにお任せ。そしてお客さんたちには、自分の見たい出演者・演目に合わせて、プラットフォームを周遊してもらうんです」

 

 

 やついはさらに、全国各地で苦境に立たされているライブハウスにも目を向けた。

 

「そもそもは渋谷だけで開催するイベントだったわけですが、より広範囲になって、全国が繋がったら面白いかなと思って。各地の知り合いに声をかけて、札幌から沖縄まで、全国8都市のライブハウスとも連携することになりました。

 

 ライブハウスでは、それぞれ独自にタイムテーブルを組んで、周辺に住むアーティストさんたちが出演します。配信方法は、東京と同じく、出演者さんに一任しました。お客さんのほうは、“指一本で日本全国を飛び回る” ことができるんです!」

 

 これまで誰もおこなっていない試みに、興奮するやつい。だが一方で、収益化の問題も無視できない。

 

「ひとつのプラットフォームに限定すれば『チケット制』にできますが、配信を縛らない前提なので、そうはいかない。課金できるプラットフォームで一部有料という形も一瞬考えましたが、『やついフェス』の自由に周遊できる良さが出ないな、と思いました。

 

 結局、無料にするしか方法はないということで、クラウドファンディングで支援を募ることにしました。リアルフェスの中止による赤字の補填と、オンラインフェス開催にあたっての運営費や制作費など、1500万円が目標でした」

 

 6月17日現在、「オンラインやついフェス」のクラウドファンディングは、目標額を超えて約1530万円を集めている。“初めてづくし” の運営に奔走するやついは、目を輝かせる。

 

「一番最初に『やついフェス』を企画した9年前と似ています。すべてが新鮮で、9年めなのに “1年め” って感じですね!」

 

「やついフェス」を始めたきっかけは、なんだったのか。

 

「(『サニーデイ・サービス』の)曽我部(恵一)さんに、『やつい君、そろそろフェスをやったら』と言われたんです。『やりたくないな』と思ったんですが(笑)、曽我部さんが言うなら……という気持ちもあって。

 

 ちょうど同じタイミングで、いまもご一緒しているShibuya O-Groupの方々から、『渋谷で周遊型のイベントをやりませんか?』というお話をいただいて、1回めの開催が決まりました。

 

 もう9年か……。『楽しかった』って言ってくれる人がいることが一番嬉しいから、続けている。やっぱり僕は、お笑い芸人ですから(笑)」

 

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