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名曲散歩/『ふたりの愛ランド』サビの書き換え要請を見事クリア
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.07.19 16:00 最終更新日:2020.07.19 16:00
東京・神田の古いビルの2階。そこには夜な夜な紳士淑女が集まり、うんちくを披露しあう歌謡曲バーがあるという。今宵も有線から、あの名曲が流れてきた。
お客さん:お、このイントロは、石川優子とチャゲの『ふたりの愛ランド』。気分爽快な夏のイメージだねえ!
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マスター:1984年、JALの沖縄キャンペーンソングとしてチャゲが作った、サマーソングの定番中の定番!
お客さん:「夏、夏、夏、夏、ココナッツ」のフレーズが印象的だよね。
マスター:CMソングだから、まずはこのサビから作ったという。ところが、スポンサーサイドから歌詞の書き直しを要請されたんだって。
お客さん:なんで?
マスター:「沖縄にココナッツはありません」という理由。チャゲは自分でも上出来だと思っていたから頭を抱えたそうだよ。でも、「ココナッツ」を「ここは夏」にしちゃえ! ということで「ココ夏」と変えたらOKが出た。
お客さん:へえ~。
マスター:あと、もともとこの歌はチャゲが歌う予定ではなかったそうだよ。女性パートの石川優子は最初から決まっていたけど、男性パートは決まっていなかったんだって。
お客さん:それは初耳!
マスター:石川優子の声を、気持ちよ~く響く音域で調整したら、男性パートがかなり高音になってしまった。そのため、声が高いチャゲが歌うことになったという。
お客さん:2人はもともとポプコン出身だよね。
マスター:そう、2人とも「第16回ポピュラーソングコンテスト」に出場して、1979年にデビューした同期生。当時は事務所も同じで、仲よしだったそうだよ。
お客さん:楽しそうに歌っている2人を見るのが、楽しかったよね。
おっ、次の曲は……。
文/安野智彦
『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)などを担当する放送作家。神田で「80年代酒場 部室」を開業中
参考:『昭和40年男vol.56』(クレタパブリッシング)/富澤一誠『J-POP名曲辞典300曲』(ヤマハミュージックメディア)