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「内田裕也に力也が激怒」クールス佐藤秀光が語る日本ロック秘話
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.27 16:00 最終更新日:2020.09.28 17:39
「あっち(天国)では、松田優作、原田芳雄、ジョー山中、安岡力也に内田裕也と、ずいぶん騒がしいだろうね」
そう語るのは、岩城滉一、舘ひろし、クレイジーケンバンドの横山剣がかつて在籍し、チェッカーズをはじめとする数々のバンドに影響を与えた、レジェンドロックンロールバンド「COOLS(クールス)」のリーダー・佐藤秀光氏(69)だ。
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「昔のバイカーは、集まって走ったあと、『酒飲んで、音楽やろう』っていうのが文化だったんだよね。僕らのバンドCOOLSは、ローリング・ストーンズをヘルズエンジェルズっていうアメリカのバイカー集団が護衛したように、キャロルをカッコよく護衛するっていうかたちで表舞台に出た。永ちゃん(矢沢永吉)が演出で、そういう風にしてくれたんだよ。
永ちゃんも俺たちも、バイクや音楽をアメリカ文化から学んだからね。デビュー曲の『紫のハイウェー』を作ってくれたのも、永ちゃん。だから、永ちゃんとボーカルで一緒に『紫のハイウェー』を演るのが、ひとつの夢なんだよね」
佐藤氏は、日本ロック界のドンである内田裕也氏や、安岡力也氏とも親交があった。
「若い子には俳優のイメージが強いかもしれないけど、力也さんは、もともとグループサウンズ出身で、音楽の人。俺たちが子供のころのスーパースターで、雲の上の人だったんだよね。今は本当に雲の上に行っちゃったけど(笑)。力也さんは、俺たちのライブにゲストでよく来てくれたよ。
でも裕也さんは、めったに来てくれなかったな。裕也さんは大先輩だし、ああいう人だから、こっちも『ライブに遊びに来てくださいよ』って言いづらいじゃない」
佐藤氏にとっては忘れられない、内田裕也氏と安岡力也氏のエピソードがあるという。
「力也さんの体調が悪くなった2012年、お見舞いに行った裕也さんが、見舞金を渡したんだよ。それが6万9100円だった。『ロックナンバーワン』の語呂合わせなんだけど、封筒にジャリ銭(小銭)が入っているってことで、力也さんが怒って、場の空気が険悪になっちゃったんだよね。
しかも、裕也さんが力也さんの前で手を合わせたんだよ。そうしたら力也さんが、『まだ俺は死んでねえぞ!』って激怒。力也さんも体調がよくなかったから、そういう裕也さん独特の洒落気みたいなものを、受け止められる体力がなかったんだよ」
CDが売れなくなり、今後アーティストには、ますます個性が求められる時代だという。
「じつは音楽って、技術のある人のものだけじゃないんだよね。曲によっては、つぶれた声のほうがいい場合がある。田代まさしだって歌は下手だし、永ちゃんなんかは歌のうまさというより、カリスマ性と圧倒的な個性で、あそこまで上り詰めたでしょ。人を魅きつける才能があるんだよね。
音楽大学を卒業して、技術的にうまい人なんて何万人といるけど、技術だけではカリスマ性と個性のあるやつには勝てないよ。そういう意味では、裕也さんも力也さんも、過去のロックスターはみんな個性があった。いい時代だったよね」
写真・CHOPPER F-Pro Hagi